悪質ホストクラブ20店舗に立ち入り、4件の是正を指示 群馬県警 取り締まり強化受け

 警察庁による悪質ホストクラブに対する取り締まり強化の指示を受け、群馬県警が昨年12月、県内の20店舗に立ち入り検査したことが9日までに、分かった。店舗設備の無承認変更など4件の是正を指示した。

 風営法に基づき、昨年12月18~27日に立ち入った。是正指示の内訳は、店舗にある設備の無承認変更が2件で、見通しを妨げる柱を設けたり、倉庫をVIPルームとして使ったりしたケースだった。未成年者立ち入り禁止の表示や、営業許可証の掲示がされていなかった義務違反も2件あった。

 首都圏などの大都市では、店やホストが飲食代を肩代わりして客に後払いさせる「売り掛け」を悪用し、多額の借金を背負った女性客に売春などをさせるケースもあり、社会問題化している。

 県内では昨年度、ホストクラブ利用客とみられる人から県消費生活センターに3件の相談が寄せられていた。いずれも成人で、高額の売掛金を抱えたなどの内容だった。債務整理の手続きをするため、弁護士を紹介したという。また、県女性相談支援センターにも昨年12月以降、同種の相談が2件寄せられたという。

 国の通知を受け、県は昨年12月からホームページで悪質なホストクラブなどについて注意喚起するとともに、相談窓口を紹介している。

 担当者は「ホストクラブに関連した問題を抱える人は、負債や居住先がないなどさまざまな背景がある。不安なことを抱え込まないで」と説明。不安になったり、気になることがあれば、女性相談支援センター(☎027-261-4466)への連絡を呼びかけている。

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