宇都宮市ら/LRT宇都宮駅西側路線、27年度以降着工へ

宇都宮市らが計画する次世代型路面電車(LRT)「宇都宮芳賀ライトレール線」の宇都宮駅西側路線への着工が、2027年度以降になることが分かった。駅東側開通で得た知見を生かし、西側延伸の検討を深めていく。駅西口から教育会館前まで約5キロの延伸区間に12カ所の停留所を設ける方針で、30年代前半の開業を目指す。さらに西側の栃木県鹿沼市への延伸にも期待が高まっている。
宇都宮市は国への軌道事業の特許申請を24年度から25年度に変更する方向性を固め、2月の市議会議員協議会で公表した。LRTの整備効果を最大限に発揮するには「駅東側開通で得た知見を生かした丁寧なまちづくりの議論が必要」(建設部LRT整備課)として、スケジュールを後ろ倒した。
同課の担当者によると、特許申請から認可までは標準で10カ月程度かかるという。同時に都市計画手続きも進める。その後、工事施工認可や都市計画事業認可を数カ月かけて行う。「順調に進んでも26年度の着工は難しい」(同課)ため、着工は27年度以降となるのが有力だ。
延伸区間の西側にある鹿沼市では、市議会議員の有志が「LRT整備推進議員連盟」を3月に立ち上げるなど、さらなる延伸へ機運が高まっている。現在は東武日光線が宇都宮市と鹿沼市をつないでいる。栃木県は、日光線を支える横軸としてLRTを通すことで「乗り降りしやすいLRTの車両を生かし、高齢者が健康に移動できる環境をつくりたい」(県土整備部)とし、延伸に向けた動きを注視する。

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