漏れた失意の呟き「嘘だろ…」 大谷翔平の一発にMVP経験OBも衝撃、LA局は対照的「普通ならフライだ!」

ドジャースの大谷翔平【写真:ロイター】

ツインズ戦で3号ソロ含む3本の長打

米大リーグ、ドジャースの大谷翔平投手は8日(日本時間9日)、ミネアポリスで行われたツインズ戦の7回に今季3号となるソロ本塁打を放った。試合はドジャースが4-2で勝利し、大谷は5打数3安打。すべて長打という大暴れだった。逆方向に運んだ一発には米国の放送席も唖然。本拠地、敵地それぞれから驚きのフレーズが飛び出ていた。

パワーとともに、うまさが光るのが今季の大谷だ。7回2死無走者で迎えた打席、カウント2-1からジャクソンのスライダーが真ん中に入ってきたところを見逃さなかった。ボールの軌道に逆らわずはじき返した打球は左翼へぐんぐん伸び、スタンド前列に飛び込んだ。

この一発に、米国の実況席からは本拠地、敵地関係なく驚きの声が上がった。まずはドジャースの地元放送局「スポーツネット・ロサンゼルス」。実況のジョー・デービス氏が「ショウヘイ・オオタニにとってなんて試合だ」と仰天すると、解説の通算204勝OBオーレル・ハーシュハイザー氏も「全方向へのパワー。左翼側へのパワーはとんでもない。あのホームランの軌道、打ち方、普通だったらただのポップフライだよ!」と力説した。大谷はこの日2本の二塁打も放ち、二塁打数、長打数でメジャートップに立っている。

対照的だったのは、ツインズの地元局「バリー・スポーツ・ノース」の放送席。実況のコーリー・プロブス氏が「レフトへ深い当たりだ……入った。オオタニが逆方向へ。ターゲットフィールドでの自身3発目だ。今季3号」と静かに伝えると、解説を務めたジャスティン・モーノー氏は「嘘だろ……」と小声でつぶやいていた。

失意のモーノー氏は大リーグ通算247本塁打。2006年にMVPを獲得した実績を持つが、大谷の一発には衝撃を隠せない様子。プロブス氏が「肌寒く、湿った夜でさえ、オオタニは柵を越えるのには十分なほど力強かった」と語ると、モーノー氏はこう続けている。

「なぜ他の選手はオオタニと同じアプローチをしないのかと不思議に思うかもしれませんが、忘れてはいけないのは、彼が球界でも随一のパワーの持ち主だということ。彼は今日、逆方向とセンターへの弾丸二塁打を放っています。真ん中へのあの球を打球角度42度(=速報値、後に38度に訂正)で逆方向へ打って、それでも柵を越すのは多くの選手ができることではない」

大谷は3日(同4日)のジャイアンツ戦から続く連続試合マルチ安打を自己最長の5試合に伸ばした。1試合3安打も今季初。松井秀喜氏の持つ日本人メジャーリーガー最多本塁打記録の175本にあと1に迫った。

THE ANSWER編集部

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