「フザケルナ!」萩生田光一氏が自民安倍派で総スカン 裏金処分でのズルい立ち回りはもう限界

裏金が党内3位でも実質処分ゼロ、自分だけ生き残ろうと…(萩生田光一前政調会長)/(C)日刊ゲンダイ

先週決定した派閥パーティー裏金事件をめぐる自民党の処分。7人の幹部間に“格差”がついた安倍派内で、萩生田前政調会長が総スカンだという。

処分は、キックバックの復活謀議に参加していた塩谷元文科相と世耕前参院幹事長が「離党勧告」、下村元文科相と西村前経産相は「党員資格停止1年」。直近の事務総長だった高木前国対委員長が「党員資格停止6カ月」となった。

離党すればもちろんのこと、党員資格停止中に選挙があれば無所属での出馬を余儀なくされ、党からの資金も受け取れない。

一方、集団指導体制で「5人衆」の一角を占めた、松野前官房長官と萩生田氏は「党役職停止1年」。すでに2人とも昨年12月に官房長官と政調会長の職を辞任し無役となっているので、実害ゼロだ。

そんな中で、安倍派内の怒りが萩生田氏に集中するのは、「裏金が党内3位の2728万円という高額」「政治倫理審査会にも出席せず逃げ回っていた」という理由に加え、ズルい立ち回りにあるという。

■ベテランから中堅若手まで「フザケルナ」

「いま安倍派内では上から下まで、ベテランから若手・中堅までが萩生田さんに『フザケルナ』と怒り心頭に発しています。この間、萩生田さんは自分だけ生き残ろうとして、森元首相にすり寄り、茂木幹事長に近づき、岸田首相にも取り入った。秋の総裁選を睨んで、『安倍派をまとめますよ』と囁いたのだろうが、萩生田さんについていく中堅・若手は一部にとどまるだろう」(安倍派中堅議員)

派閥の大ボスの森元首相が一番かわいがっているのが萩生田氏なのは、派内でも衆目の一致するところ。

「安倍派内では以前から、幹部らが閣僚や党のポストを独占してきたことへの風当たりが強い。中でも萩生田さんは、現在当選6回なのに、官房副長官、幹事長代行、文科相、経産相、政調会長とずっといいポストに就いてきた。適齢期の議員は特に苦々しく見ていましたよ」(安倍派若手議員)

安倍派内は流動化が進み、「いくつものグループに分散化するのではないか」(前出の中堅議員)。すでに解散を宣言しているし、いよいよ名実ともに安倍派は溶けてなくなっていくのだろう。

もっとも、相変わらずのコップの中の争いには、世論は辟易。8日公表されたNHKの世論調査で、裏金議員ら39人の処分について、どちらかといえばを含め「納得できない」は6割に上った。安倍派は上から下まで「総ざんげ」だ。

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