50年前に想像した“地球の未来” 人口爆発、環境破壊、食糧難、まさに悪夢のような光景『ソイレント・グリーン』特報映像

『ソイレント・グリーン 《デジタル・リマスター版》』© 2024 WBEI.

50年前にリチャード・フライシャー監督が現代社会の恐るべき惨状を予言していた衝撃作『ソイレント・グリーン 《デジタル・リマスター版》』が、5月17日(金)より公開される。このたび、特報映像とメインビジュアル、場面写真が解禁となった。

緑色の物体“ソイレント・グリーン”とは?

舞台は、爆発的な人口増加により人々には住居もなく、急激な気候変動による環境破壊で熱波にさらされるニューヨーク。食料難は状態化しており超格差社会に生きる人々は、無為に街中をうろつき、ただ週に一度政府から配給される「ソイレント」なる栄養食品を待つばかえりの日々を送っている。そんな中、究極の栄養食を謳う新製品「ソイレント・グリーン」を発表したばかりのソイレント社幹部サイモンソンが何者かに殺害される。殺人課の刑事ソーンが事件の捜査を開始するが……。

本作を手がけるのは、『ミクロの決死圏』(1966)、『絞殺魔』(1968)などでも知られるリチャード・フライシャー。SF作家ハリイ・ハリスンが1966年に発表した「人間がいっぱい」を原作に、人類の行く末を描いていく。1973年に製作されている映画であるにも関わらず、人口爆発・異常気象・食糧難・資源枯渇・生態系崩壊・貧困など、21世紀の世界が抱える問題を真っ直ぐに見つめた予言的映画だ。近未来を題材にしたSF作品が数多とあるなかで、50年の時を越えてもなお、これほど現実とリンクした未来予想図はないと感じさせる衝撃作。まったくその通りとなっているかもしれない世の中でもがく我々は、その「絶対に“口にしてはいけない”凄惨な結末」をその目で見届けなければならない。

もう、人間がいっぱい……

映像では、人口が4000万人にまで達したニューヨークの配給所に詰めかけた群衆が、究極の栄養食であり謎に包まれた合成食品“ソイレント・グリーン”に押し寄せる様子が捉えられている。食糧難や貧困で暴徒と化した人間の前に現れたのは巨大なショベルカー。逃げ場を失った者たちを次々と掬い上げ、後部のタンクに塵芥さながら放り込む無慈悲かつ冷酷さは、まさに悪夢としか言いようのない光景だ。

メインビジュアルには、50年前に想像した「2022年の地球」を描いた公開当時のイラストを起用。「恐るべき未来予想図」を描いた近未来SFの傑作として扱われてきた本作だが、「もう、人間がいっぱい…」というコピーが、人類を抱えきれなくなった“今の地球”の発する悲痛な叫びとしても受け取れる。

実際に、制作された1973年にすでに39億に達していた世界人口は2024年の今80億を超え、環境破壊、異常気象、食糧難、生態系崩壊といった言葉が日常語と化している世界に生きている。もう“手遅れ”なのか?『ソイレント・グリーン』の結末は何を提示するのか—。恐怖と好奇心を掻き立てられる解禁内容となっている。

『ソイレント・グリーン 《デジタル・リマスター版》』は5月17日(金)よりシネマート新宿ほか全国順次ロードショー

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