大谷翔平もアウトマンも復調させた“秘密兵器” チームで流行の兆し…指揮官も「みんなに効くかも」

ドジャースの大谷翔平【写真:ロイター】

不振にあえぐアウトマンが「ショウヘイを見て」始めた練習

米大リーグのドジャースは8日(日本時間9日)、敵地ミネアポリスで行われたツインズ戦を4-2で快勝した。同点で迎えた7回に、ジェームス・アウトマン外野手の今季1号と、大谷翔平投手の3号と2本のソロ本塁打が飛び出し、勝ち越し。この2人に共通するのが、ある道具を用いて復調にこぎつけたことだ。チーム内で流行の気配まであるという練習法とは――。

昨季は中堅の定位置を占め23本塁打したアウトマンは、前日まで打率.125にとどまっていた。この日は「8番・中堅」で7回先頭で迎えた打席はフルカウントからの6球目、真ん中付近に入ってきたスライダーを引っ張り、右翼席まで運んだ。ベンチに戻ると、大谷とハイタッチをして喜び合った。

さらに米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」のファビアン・アルダヤ記者が自身のX(旧ツイッター)で伝えたところによると、試合後に「ショウヘイが2本のヒットを打ったのを見て、僕もクリケットのバットを振り始めたんだ」と、大谷にならい“秘密兵器”を使っていると明かしたのだという。

何かといえば、大谷もこの日の試合前、報道陣の取材に応じ「昨日は2回凡退した後にクリケットのバットを使って2安打したので、今日もやろうかなと思っています」と話していたのだ。7日(同8日)にシカゴで行われたカブス戦、大谷は今永昇太の前に2打席凡退しながら、6回に三塁打、8回に二塁打を放ち4打数2安打。そしてこの日も初回、6回と二塁打を放ち、7回2死からはジャクソンのスライダーを左翼席まで運んだ。

カブス戦の雨天中断の間に…大谷が発見した復調のきっかけ

2人が何をしているのかを伝えているのが、「ジ・アスレチック」が掲載した「ドジャースはショウヘイ・オオタニのバットの開花を見るのを楽しむ」という記事だ。荒天の中で行われたカブス戦は2時間51分の雨天中断があった。その際に大谷は「打撃コーチの道具バッグの中をくまなく探し、持ち手は典型的なバットだが、芯の部分はクリケットのバットのように広く、平らなハイブリッド品を持って現れた」のだという。

さらにティー打撃でこのバットを使いスイングし始めた。「バットの軌道を強調し、ゾーンを通るときにより長くフラットなスイングを維持し、雷のような彼のフィニッシュを最大化する」効果があるのだという。

ドジャースのデーブ・ロバーツ監督もツインズとの試合後、地元局「スポーツネット・ロサンゼルス」の取材に対し「もしショウヘイに効果があるなら、みんなにも効くかもね」と笑った。

さらに「ショウヘイは良いスイングを続けていて、センターや逆方向にも打てる、今夜やったようにね。だから彼はタフになるだろう。他の選手たちも秘密兵器としてクリケットのバットを使い始めるかもね」と、チームに及ぼす影響まで口にしている。

THE ANSWER編集部

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