完全復活を目指していたストーリーが左肩負傷でシーズン絶望に...意外な好スタートを切ったレッドソックスに大打撃<SLUGGER>

野球の神様は何と残酷な仕打ちをするだろうのか。

レッドソックスの遊撃手トレバー・ストーリーが左肩甲骨関節窩骨折の手術を受け、残りシーズンを欠場することが分かった。

ストーリーは5日のエンジェルス戦でダイビングキャッチを試みた際に左肩を脱臼。痛みにのたうち回る姿から重傷であることはその時から明らかで、ファンからは状態を心配する声が上がっていた。

2022年に6年1億4000万ドルの大型契約で入団したストーリーにとって、今季は勝負のシーズンとなるはずだった。

ロッキーズ時代にパワーとスピードを兼ね備えた球界屈指のショートストップとして活躍したストーリーだが、移籍1年目は死球による右手骨折や左かかとの故障で出場わずか94試合。キャンプイン直前にトミー・ジョン手術を受けて大幅に出遅れた昨季は、復帰後も43試合で打率.203、3本塁打と大不振に苦しんだ。

それでも、昨オフはチームの若手内野手を誘って自主トレを行い、メジャーリーガーとしての心得を授けるなど、リーダーとして存在感を発揮。今年のキャンプは久々に体調万全で迎え、オープン戦も打撃絶好調で、本人も完全復活に自信を見せていた。 シーズン開幕後は「3番・ショート」を務め、文字通り攻守の中心として、チームの意外な好スタートに貢献していただけに、今回の故障は本人にとってもファンにとっても悲痛以外の何物でもない。

9日、ストーリーは涙を浮かべながら取材に対応。現地記者によると、言葉に詰まる場面も何度かあったという。アレックス・コーラ監督は「彼がいなくなって困るかって? もちろん。リーダーとして、選手として、走者として、守備者として、打者としてね。だが、我々は前を向かなければならない」と気丈に語ったが、ショックの大きさは明らかだった。

チームも、オリオールズとのホーム開幕戦で1対7と完敗。思わぬ形でチームリーダーを欠くことになったレッドソックスは、この損失を埋めることができるだろうか。

構成●SLUGGER編集部

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