温泉入って、稲お「芽」覚め 鶴岡・湯田川

稲の発芽を促すため温泉の余り湯に種もみを浸す作業員=鶴岡市湯田川

 鶴岡市の湯田川温泉で、温泉の余り湯を活用した稲の芽出し作業が行われている。発芽が均等になるとして江戸時代から続けられており、早朝から作業員が種もみを入れた袋を湯に浸したり蒸したりしている。

 温泉宿からの湯が流れる水路を使いJA鶴岡が毎年行っている。30~32度の湯に重さ8キロほどの種もみが入った麻袋を12時間程度浸した後、水路に渡した板に乗せてむしろをかぶせ、気温などに応じて8~16時間ほど蒸して発芽を促す。

 今年は1日に始めた。庄内地域一円の農家から持ち込まれた「つや姫」「雪若丸」「はえぬき」などが入った麻袋を、10人ほどが午前5時ごろから、湯気が立ち上る中で手際よく浸している。同JAは平年並みの約240トンの持ち込みを見込んでいる。作業は10~14日がピークで、今月下旬まで続く見通し。

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