米FAA、ボーイング機の安全性巡る内部告発を調査

David Shepardson Allison Lampert

[ワシントン 9日 ロイター] - 米連邦航空局(FAA)は、航空機大手ボーイングの旅客機「787」と「777」の安全性に関する内部告発を調査している。報道官が9日、明らかにした。

内部告発者は両機の製造に携わっていたエンジニア。弁護士によると、構造的完全性に影響を及ぼすエンジニアリング上の問題を指摘した後、脅迫や会議からの排除などの報復に直面。ボーイングが787の組み立て作業のボトルネックを軽減するために手近な方法を取ったと主張している。

787は2021年に発覚した品質管理などの問題で22年8月まで1年余り出荷を停止し、FAAが調査を実施した経緯がある。

同エンジニアは記者との電話会見でまた、777の製造工程でも機体の一部にずれが生じる問題があったが、作業員が力で無理やり修正したと指摘した。

ボーイングは787ドリームライナーに全面的な自信を持っているとし、「この主張は不正確で、航空機の品質と長期的な安全性を確保するためにボーイングが行ってきた包括的な取り組みを示すものではない」と述べた。

FAAは「報復を恐れずに自発的に報告することは航空安全にとって極めて重要だ。航空業界の全ての人に情報共有を強く奨励する。われわれは全ての報告を徹底的に調査する」とした。

リチャード・ブルメンタール上院議員の事務所によると、この問題について同氏の調査小委員会が17日に公聴会を開く。

ボーイングは小委に対し、資料提供や証言を行うことを申し出たとロイターに説明した。

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