渇水で水が減る沖縄のダム 湖底に眠る集落跡が出現 当時使われていた「ウヮーフール」とは?

 沖縄県うるま市と沖縄市にまたがる県管理の倉敷ダムで9日、渇水に伴い下がった水面から旧倉敷集落のウヮーフール(豚舎兼便所)が顔を出しているのが確認された。ダム管理所によると、めったに姿を現すことはないが、同ダムの貯水率が50%を切った2月頃から見え始めたという。

 本島内11ダムの貯水率が9日午前0時時点で52.9%まで回復したのに対し、倉敷ダムはまだ45.4%。朝から断続的に雨が降った9日正午の時点でもウヮーフールが確認できた。

 1996年に完成したダムの底には、旧倉敷集落が沈んでいる。建築物の多くが取り壊されたが、ウヮーフールはアーチ部分などが残っており、住民の暮らしに思いをはせることができる。

 ダム管理所の島尻聡主幹は「本来なら見えないはずの集落跡が見えている。少しずつ貯水率は回復しているが、まだ渇水状態なので節水に協力してほしい」と呼びかけた。(中部報道部・吉川毅)

渇水状態が続き、倉敷ダムの底から姿を現した旧倉敷集落のウヮーフール=9日午前11時

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