大分市の鶴崎公民館の大規模改修が完了 省エネ・バリアフリー化、洪水対策も【大分県】

4年にわたる大規模改修が完了した鶴崎公民館。大野川の洪水による浸水に備え、玄関付近の敷地もかさ上げした=大分市東鶴崎
旧集会室のスペースに新設した多目的ルーム。大きな鏡や音響を備える=大分市東鶴崎の鶴崎公民館
分離・新築された鶴崎公民館の集会室。高床式で大野川の洪水による浸水に備える
新築された鶴崎公民館の集会室。700人が収容でき、冷暖房やエレベーター、多目的トイレを備える

 【大分】大分市東鶴崎の鶴崎公民館の大規模改修が完了した。エレベーターや多目的ルームを設置し、時代のニーズに合わせたリニューアルを実施した他、隣接地に高床式の集会室を新築。大野川の洪水による浸水被害に備え、避難所機能を高めた。

 同公民館は1972年にオープンし、市内13カ所の地区公民館で最も古い。築50年が過ぎ、2020年度から市教委が工事を進めていた。総工費は約13億4800万円。

 改修に際しては、18年に策定した「鶴崎地域まちづくりビジョン」や利用者の意見などを踏まえ、省エネ・バリアフリー化を進めた。

 高床式3階建て。内装や調理実習室機器を更新し、照明も発光ダイオード(LED)化した。1階駐車場からエレベーターで移動できるようにした他、玄関スロープ、多目的トイレを新たに設けた。

 2階には、大きな鏡や音響機器がある多目的ルーム、授乳室を備えたふれあいルーム、会議室2室を新設。鶴崎老人いこいの家も移設した。3階には、隣接地にあった社会人のための生涯教育施設「市立エスペランサ・コレジオ」が入った。

 エスペランサ・コレジオのあった場所には2階建て(1階は駐車場)の集会室を新設。約2メートルの盛り土を施し、2階の床は想定最大浸水深(3~5メートル)より高くした。広さも約1.5倍になり、700人が収容可能。エレベーターや多目的トイレ、冷暖房を備え、ステージ下には避難所開設時に使うマットなどを備蓄している。

 新納徳光(にいの・のりみつ)館長(63)は「利用者に好評。生涯学習、地域交流、災害対応の拠点として大切に使っていきたい」と話している。

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