福島県郡山市の日大工学部は地元企業と連携し、鋼鉄製の橋の腐食状況を検出するAI(人工知能)カメラを開発した。点検技術者は撮影したその場で腐食の有無を確認でき、老朽化が進むインフラの迅速な修繕につなげる。工学部が9日、発表した。
点検する橋をAIカメラで撮影すると、表面のさびによる腐食や塗装の剥がれ具合などが色分けして表示される。腐食した部分は赤色で示される。学習機能を備えており、撮影を繰り返すことで検出の精度が向上する。
コンパクトデジタルカメラと同様に容易に持ち運びできる。ドローンに装着することで高所などでの点検も可能になるという。
橋は5年に1度の点検が義務付けられている。プロジェクトマネジャーの子田(こだ)康弘日大工学部教授は専門的な知識を持つ点検技術者の確保やノウハウの伝承が課題になっていると指摘し、「AIカメラの導入により、点検技術者の作業を支援できるよう取り組みたい」と話した。