セバスチャン・ベッテル、ル・マン24時間デビューなるか。「未来は大きく開いている」とポルシェ

 LMDhファクトリーディレクターのウルス・クラトルによると、ポルシェは2024年のル・マン24時間レースのラインアップにセバスチャン・ベッテルを起用するかどうか、まだ決定を下していないという。

 4度のF1世界王者であるベッテルは、3月にモーターランド・アラゴンで行われたポルシェ・ペンスキー・モータースポーツのル・マン前の耐久テストに参加し、WEC世界耐久選手権に参戦する5号車ポルシェ963のステアリングを握って500km以上を走破した。

「彼は本当によくやってくれた」とクラトルは、4月9日にドイツ・マンハイムにあるポルシェ・ペンスキーのヨーロッパでのヘッドクォーターで行われたメディアイベントで、記者団に対し語った。

「彼はテストの前にヴァイザッハでロールアウトを行い、その後テスト中に数回のアウティングを行った」

「この先なにが起こるか、いまは分からない。普段と同じく、プレスリリースに記載されていることが現実だ。今回の場合は、とくにそうだ!」

 ベッテルのポルシェでのテストは、36歳の彼がF1への復帰を目指している可能性があるとの報道をも引き起こした。

「彼はさまざまな人とも話している。多くの人々と同じように、我々もメディアでそれを読んだ」とクラトル。

「彼がいつ何をしているのか、いつ運転しているのか、将来我々のために運転するのかどうかなどは、まったく決まっていない。 それは今後数日、あるいは数週間以内に明らかになるだろう」

「そして何を・どのように・どこで彼はドライブすることを望んでいるのか、その決定がいつ下されるのかさえも決まっていない」

アラゴンでポルシェ・ペンスキー・モータースポーツのテストに参加し、ポルシェ963をドライブしたセバスチャン・ベッテル

■“エントリー期限”は5月19日

 これまでのところ、ル・マンでペンスキーの2台のレギュラー参戦車に加わる4号車ポルシェ963のラインアップについては、マシュー・ジャミネの名前のみが確認されている。

 クラトルは、3台目のポルシェのラインアップは5月19日までにACOフランス西部自動車クラブ(ル・マン24時間の主催団体)に確認する必要があり、ドライバーチームを最終決定するまでにはまだ時間がかかると述べた。

「我々は常に最善の解決策……会社にとってもチームにとっても可能な限り最善の解決策を考えているし、そこには多くのドライバーがいる」とクラトルは付け加えた。

「だが、我々は最高の幸運に恵まれた状況にある」

「個人的には、我々はスポーツカー界でベスト10人のドライバーを保持しているものと信じている。これは、ル・マンに3台のマシンを出場させるのに充分すぎるほどの数だ」

 ベッテルとのつながりがどのようにして生まれたのかと尋ねられたクラトルは、次のように語った。

「人々はお互いのことを知っていて、お互いに話し合っているが、ある時点で、それが可能であるかもしれないという話になった。もちろんだ、我々はトライすることができる」

「しかし、それはロールアウトでありテストであり、セバスチャンも言ったように、この環境がどのようなものであるか、人々がどのようなものであるか、スポーツカーレースがどのようなものであるかを確認するためのものだった」

「彼はクルマを感じたかったし、クルマから感触を得ていた。いま、その未来は大きく開いている」

セバスチャン・ベッテルがドライブしたポルシェ963

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