PK戦で3連続失敗…なでしこ先制もパリ五輪前哨戦となったブラジルに敗れ4位で終了【SheBelieves Cup】

[写真:Getty Images]

9日、なでしこジャパンはSheBelieves Cup3位決定戦でブラジル女子代表と対戦し、1-1のドロー。PK戦の末、0-3でブラジルに敗れた。
【動画】日本vsブラジルの決着はPK戦に委ねられることに!

パリ・オリンピックの出場権を獲得したなでしこジャパン。本大会までの数少ない実戦の機会となる中、アメリカ、カナダ、ブラジルといずれもオリンピックに出場するクラブが参加する戦いに臨んだ。

6日のアメリカ女子代表戦は、早々に先制しながらも逆転負け。3位決定戦に回ることとなった。システムは[3-4-3]で臨み、GKは2戦連続で山下杏也加。最終ラインは右から古賀塔子、南萌華、石川璃音。中盤はボランチに長谷川唯と林穂之香、ウイングバックには右に清水梨紗、左に北川ひかるを起用。3トップは右に藤野あおば、左に浜野まいか、中央に田中美南と並んだ。

日本ボールでキックオフとなった試合。日本はボールを回してポゼッションをしつつ、スペースを突くロングボールも使い、ブラジルゴールに迫っていく。

パリ・オリンピックの本大会でも対戦することが決定している両者。親善試合ではありながらも、前哨戦となる戦いのため、手の内を全て明かすわけにもいかない戦いとなった。

日本は両サイドを使いながら、攻め込んでいく形を作ると、浜野が積極的にシュートを狙いフィニッシュに持っていくが、ゴールは奪えない。

対するブラジルもレジェンドのマルタが中盤を締め、要所で日本の攻撃の芽を摘む形に。互いに大きな決定機を迎えないまま、試合が進んでいく。すると34分に日本が先にスコアを動かす。

自陣で相手のロングボールを奪うと、長谷川が相手にプレスをかけられながらも巧みにかわして右サイドに展開。右に回っていた浜野がドリブルで持ち出しアーリークロスを入れると、ボックス内の田中がトラップから落ち着いて蹴り込み、日本が先制する。

先制した日本は変わらずにペースを掴んだが、徐々にブラジルが前に圧力をかけて日本陣内でのプレータイムが増えていくことに。それでも日本は45分にビッグチャンス。カウンターから左サイドの北川がグラウンダーのアーリークロスを入れると、ファーサイドに飛び込んだ藤野が間に合ったが、シュートは枠に飛ばせず。1-0で試合を折り返した。

日本はハーフタイムに浜野を下げて、上野真実を投入。ポジションは変わらずにそのまま左ウイングに上野が入った。

後半はブラジルがボールを保持しながら、日本が奪ってカウンターを仕掛けるという展開に。前半以上にブラジルにボールを握られる時間が長くなるが、しっかりと守備陣が耐えていく。

54分には縦パス1本で大ピンチに。クリスチアーニが抜け出しボックス内でGK山下と一対一になるが、シュートは打てず、クリスチアーニは倒れるがファウルは取ってもらえない。

すると日本は55分にビッグチャンス。カウンターから林が左に展開すると北川のクロスを受けた藤野がボックス内でコントロール。そのままシュートを放ったが、GKロレーナにセーブされる。

日本は64分にビッグチャンス。CKからのクロスはクリアされるが、こぼれ球を拾いに行った林がボックス内でファウルを受けてPKをゲット。これを田中が蹴るも、GKロレーナが完全に読み切りセーブ。追加点を奪うことができず、これが後々響くことになる。

ブラジルは71分にCKを獲得。右CKからヤスミンがクロスを入れると、ニアサイドに飛び込んだクリスチアーニがヘッド。GK山下は一歩も動けず、1-1のタイスコアになる。

PK失敗、その後に同点と嫌な流れの日本。ブラジルは逆転を目指してより強度と高めていくことに。78分には北川と田中を下げて、守屋都弥、宮澤ひなたを投入する。

すると79分には、ボール奪取からのカウンターで藤野のスルーパスに反応した途中出場の宮澤ひなたがGKと一対一でシュート。しかし、これはセーブされてしまう。

選手交代で流れを変えたいに日本だったが、一進一退の攻防が続き、ビッグチャンスは作れず。85分には林と清水を下げて、長野風花、清家貴子を入れて攻撃に変化を加えるが、最後までゴールは奪えず。90分が終了し1-1のドロー。規定によりPK戦で決着をつけることとなった。

先攻は日本。清家が最初のキッカーを務める中、右を狙ったシュートはGKが完璧に読み切りセーブされ失敗スタート。ブラジルはクリスチアーニが落ち着いて決めると、日本の2人目は長野。左を狙うが、これも完全に読み切られて止められ、2人連続失敗となる。

ブラジルは2人目のタルシアニも成功。日本は失敗すると窮地に立たされる中、キッカーの長谷川が右を狙うが、これまたGKが完璧に読み切りセーブ。にほなh3連続失敗となると、最後はアンジェリーナがGK山下の逆を突いて終了。PK戦の末に日本は4位に終わった。

パリ・オリンピック本大会でもPK戦はあるだけに、日本としては試合中のPKも含めて全て読み切られることに。男子もPK戦でワールドカップで敗退する経験もしており、日本にとっては大きな課題として残りそうだ。

なでしこジャパン 1-1(0PK3) ブラジル女子代表

【得点者】
1-0:34分 田中美南(日本)
1-1:71分 クリスチアーニ(ブラジル)

◆なでしこジャパンメンバー
GK
山下杏也加(INAC神戸レオネッサ)
DF
南萌華(ローマ)
石川璃音(三菱重工浦和レッズレディース)
古賀塔子(フェイエノールト)
MF
清水梨紗(ウェストハム)
→85分 清家貴子(三菱重工浦和レッズレディース)
林穂之香(ウェストハム)
→85分 長野風花(リバプール)
長谷川唯(マンチェスター・シティ)
北川ひかる(INAC神戸レオネッサ)
→78分 守屋都弥(INAC神戸レオネッサ)
FW
田中美南(INAC神戸レオネッサ)
→78分 宮澤ひなた(マンチェスター・ユナイテッド)
浜野まいか(チェルシー)
→HT 上野真実(サンフレッチェ広島レジーナ)
藤野あおば(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)

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