力強いパワー感じて ライオン型のこま犬誕生 鳥取・倉田八幡宮

参道の両脇に設置されたライオン型のこま犬と発起人の福田さん(左)、川口さん=9日、鳥取市馬場の倉田八幡宮

 倉田八幡宮(鳥取市馬場)に新たな魅力をつくろうと、地域活性化を願う市民が9日、唐獅子の原型であるライオンの形をしたこま犬を寄贈した。同神社のシンボルとして定着させ、「参詣者に百獣の王の力強いパワーを感じ取ってもらいたい」と願いを込めた。

 地域貢献活動に取り組む福田修三さん(83)=同市元魚町=と川口敬恵さん(83)=同市西町=が発起人となって実施した。福田さんは賀露神社に設置されているトラ型のこま犬に触発され、親交のある倉田八幡宮にも新たなシンボルをつくろうと提案したという。

 こま犬の制作は愛知県在住の石彫刻の職人、戸松政洋さん(49)に依頼し、同県豊田市で採石される「花沢石」を使用。台座は南口石創(鳥取市桂木、南口和秋代表)が作り、約4カ月半かけて完成した。

 この日は奉納式が行われ、台座を含め高さ約210センチのこま犬2体が参道の両脇に設置された。同神社の永江則英宮司から、発起人と制作者に感謝状が贈呈された。戸松さんは以前、川口さんの依頼で売沼(めぬま)神社(鳥取市河原町曳田)の石像を制作しており、「また声がかかりうれしかった。伝統ある神社になじんでもらえたら」と話した。

 福田さんは「きめの細かい、きれいな石が使われている」とこま犬を何度もなでながら完成を喜んだ。14日に同神社で行われる春季大祭で多くの人の目に触れることを期待し、「こま犬から困難な時代を生き抜く“勇気”と“信念”を感じてもらいたい」と笑顔だった。

© 株式会社新日本海新聞社