イタリア、今年と来年の成長見通し下方修正 国際情勢不透明で

Giuseppe Fonte

[ローマ 9日 ロイター] - イタリア政府は9日、今年と来年の経済成長見通しを下方修正した。ロシアのウクライナ侵攻や中東における戦闘の影響など国際情勢の不確実な見通しを反映した。

経済財務省は今年の国内総生産(GDP)成長率の見通しを1%と予想、昨年9月時点の1.2%から引き下げた。ただ市場予想の約0.7%より高い水準だ。

同省が見込む来年の成長率は従来の1.4%から1.2%に下がった。

ジョルジェッティ経済財務相は記者団に、ウクライナと中東における紛争に言及した上で、経済見通しの修正は「複雑な国際情勢や地政学的要因」を織り込んだと説明した。

政府はまた、2024年度の財政赤字をGDPの4.3%とする見通しを改めて示した。実現すれば、23年度の7.2%から大きく低下する。

25年度の財政赤字はGDPの3.7%と予想、従来目標の3.6%から水準が若干切り上がった。26年度は従来の2.9%から3%に引き上げた。

公的債務がGDPに占める比率は今年が137.8%と予想、昨年の137.3%から上昇する見通しだ。同比率は25年が138.9%、26年が139.8%になるとされた。

ジョルジェッティ氏は、公的債務を抑えるため、26年末にかけて資産売却によりGDPの約1%相当(約200億ユーロ)の財源を確保する取り組みを進めると表明した。

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