賃上げ1万3801円で過去最高 全国の流れが県内にも 連合長崎が今春闘集計

連合長崎賃上げ集計推移

 連合長崎は9日、2024年春闘の第1回賃上げ集計結果を発表した。同日朝の時点で138組合のうち51%の71組合が妥結。定期昇給やベースアップ(ベア)を含む平均賃上げ額は1万3801円(前年同期比4625円増)となり、1990年の連合長崎結成以降、最も高くなった。
 平均賃上げ率は4.91%(同1.79ポイント増)。全国的な賃上げの流れが県内にも波及している。
 県内に本社がある地場企業の92組合のうち35%の32組合が妥結。平均賃上げ額は1万996円(同6456円増)、平均賃上げ率は4.66%(同2.45ポイント増)だった。
 満額か、要求を超える回答を獲得した組合は5割を超えた。ベアや初任給引き上げのほか、運転手不足が懸念される「2024年問題」に直面している交通・運輸業で、ベアが実施されるなど人員確保に向けた賃上げがみられた。
 連合長崎事務局は「ここ数年の賃上げの流れが継続している。地場も造船など製造部門を中心に大幅な賃上げが実施され、結果に大きく影響している」と分析。一方で「まだ多くの地場組合が交渉中で引き続き注視していく。組合のない職場にも賃上げが波及できるよう、引き続き機運醸成を図る」としている。
 集計結果は5月10日に第2回、6月7日に第3回を公表する予定。

© 株式会社長崎新聞社