ロッテ育成・吉川悠斗「来年、再来年に繋げられるような1年にできたら」将来を見据えて日々を過ごす

◆ ストレートの強さ

「試合入って球速とか、強さというところであんまりという感じなんですけど、ちょっとずつ改良というか、いろいろ付け加えていって、もっと強くしていけたらなと思います」。

ロッテの育成2年目・吉川悠斗は、ストレートの強さを求め日々トレーニングを積んでいる。

吉川は昨年8月9日の日本ハムとの二軍戦で実戦デビューを果たし、「王柏融選手に10球くらい粘られてまだカットというか押してはいるんですけど、もうひと伸び足りないというか、もうひと押し足りない感じがあったので、そこはこれからもうちょっと球の威力と当てられない球というか、簡単に粘られている感じだったので、そういうのはなくしていければなと思います」とストレートに課題を感じた。

シーズンオフはウエイトトレーニング、体幹トレーニングをメインに励み、体づくりは「順調にきているかなと思います」と手応え。

2月の石垣島春季キャンプでは、“伸びが足りない”と話していたストレートについて「今のところはバッター立っていないのでなんとも言えないんですけど、ある程度力強さは増したんじゃないかなと思います」と好感触を得た。

3月22日のヤクルト二軍戦で今季初登板を果たし、1回を無失点。特に8-2の6回先頭の右打者・伊藤瑠偉を見逃し三振に仕留めた2ボール2ストライクからの5球目の外角142キロストレート、8-2の6回一死一塁で小森航大朗を2ボール1ストライクから空振りを奪った4球目の外角138キロストレート、空振り三振を奪った5球目の外角139キロストレートは、球速以上の速さを感じた。

「う〜ん。そんなに自分の中では今日は球を走っている感じがなかったんですけど、意外と三振が取れていたというところで、球速以上に見えている部分がもしかしたらあるのかなと思います」。

ストレートの強さを求める中で、現在どこに力を入れて取り組んでいるのだろうかーー。

「下半身を使えていないと自分でも他の人にも言われたりするので、下半身の使い方であったり、下半身の出力というか、そういうところを意識してちょっとでも楽なフォーム、体力を使わないフォームで強い球を投げるイメージで取り組んでいます」。

◆ 変化球

変化球に関しても高校時代はチェンジアップを武器にしていたが、石垣島の春季キャンプでは「チェンジアップだけだと、どうしても勝負しきれない部分もあるので、スライダーとかをある程度よくしていければなと思います」と、スライダーの精度向上を課題に挙げていた。

4月3日の取材では、「スライダーとチェンジアップくらいしか投げていないんですけど、スライダーはちゃんとコースに決まっているというか、空振りを取れるようになってきました」と好感触。その一方で、「チェンジアップはもうちょっと抜ける球が多かったり、うまくコースに決まっていないというか、うまく操れていない感じがあるので、握りであったり、腕の振りであったり、ちょっとずつ微調整できればなと思っています」と、課題があるようだ。

◆ 将来に向けて

プロ1年目の昨季は、将来を見据えて体づくり、トレーニングができていると話していたが、2年目の現在、自分が目標にしているところに近づいているのだろうかーー。

「ちょっとずつ試合にも投げていますし、いろんなところでアピールできているなと思っているので、今のところは順調にきていると思います」。

成長を実感している部分については「ピッチングで言ったら空振りとれたり、コントロール良くなったり、数値がいろいろ上がってきたりとか、目に見えてわかるところが結構、増えてきたかなという感じはあるので、よくなっていると思います。その一方で、足りないところもありますし、そういうところもしっかりよくしていけたらなと思います」と自己分析。

足りない部分は「試合を1年間投げ切るフィジカルが足りないなと思いますし、数値ももうちょっと上げたい部分だったりとか、もうちょっと調整したいところもある。そういうところはしっかりよくしていけたらなと思います」と口にした。

最後に今季に向けて、「去年1年は体づくりをある程度のところで終わったので、今年は実戦経験を積んで、かつしっかり引き続きトレーニングしていく感じで、来年、再来年に繋げられるような1年にできたらなと思います」と意気込んだ。

取材・文=岩下雄太

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