愛犬が太ってしまう『ダメ習慣』3選 肥満が引き起こす病気のリスクや改善方法まで

愛犬が太ってしまう「ダメ習慣」

人間のみならず、犬にとっても肥満は万病の元。しかし、犬が自分で暴飲暴食ができるわけではないので、その原因は飼い主さんの「ダメ習慣」によるところが少なくありません。

愛犬のためによかれと思ったことが実は原因だったりもするため、愛犬の肥満で悩んでいる場合には、今一度ご自身の習慣も見直してみる必要があるかもしれません。

そこで今回は、愛犬が太ってしまう「ダメ習慣」について解説します。大事な愛犬と一日でも長く一緒に過ごせるように、今のうちに愛犬を太らせてしまう「ダメ習慣」の正体と解決法を確認しておきましょう。

1.ご飯やおやつの与えすぎ

分かりやすい「ダメ習慣」として、ご飯やおやつの与えすぎが挙げられます。

中でもおやつは要注意です。市販されている犬のおやつは高カロリーで犬が好む味付けのものが多く、とても嗜好性が高いです。また、商品によっては添加物も含まれているので、毎日のように与えることは健康リスクの観点からもおすすめはできません。

また、市販のおやつではなく、犬が好きな茹でたさつまいもやかぼちゃを与えている飼い主さんもいるでしょう。しかしこちらも、栄養価も高いですが糖質も多く含んでいるので、与えすぎには注意が必要です。

2.運動不足

愛犬が太ってしまう大きな原因として、『食べ過ぎ』と『運動不足』の2つが挙げられます。

ここで注目すべきは、「摂取カロリーと消費カロリーのバランス」ですよね。ごはんやおやつの量は適正でも、運動不足になっていれば、当然徐々に愛犬の体重は増えていきます。

そして太ってしまうことで体が重くなり、そのために動くことが億劫になり、なかなか痩せられない、という悪循環に陥ります。

まずは、お散歩が好きな子の場合は、積極的に外に出ましょう。体を動かし、様々な匂いを嗅ぐことでストレス発散にも有効です。お散歩があまり好きではない子の場合は、お家でたっぷり遊んであげましょう。

いずれにせよ、少しでも体を動かすことを意識して生活することが大切です。

3.人間の食事のお裾分け

「食事をしていると愛犬がおねだりしてくるので、ついついあげてしまう…」というようなことが習慣化していないでしょうか。

前足でチョイチョイとつついてきたり、上目遣いでじっと見つめてくるなど、可愛らしい仕草からお裾分けしてしまう気持ちもよく分かります。また、飼い主さん本人はしていなくても、ご家族が知らないうちに…という場合もよく聞かれます。

しかし、一度与えてしまうと「こうしていればもらえる!」と誤った学習をしてしまい、もらえるまで待ち続けるようになってしまいます。また、人間の食べ物は犬にとっては総じて味が濃く塩分過多です。口にしたものよっては愛犬の命に関わる場合もあります。

愛犬の体のためにも、人間の食事のお裾分けはNGです。

愛犬の肥満が引き起こす病気のリスク

愛犬が肥満になってしまうことで、様々な病気を引き起こすリスクを高めてしまいます。

特に発症しやすいために気を付けるべき病気は以下の通りです。

  • 関節炎
  • 呼吸器疾患
  • 高血圧
  • 糖尿病

犬は太ってしまうと、足や腰などに負担がかかり、関節炎を患いやすくなります。またこれが慢性化すると、痛み止めを常時服用しなければならなくなってしまいます。

また、太ってしまうことで気道が狭くなり、呼吸が苦しくなる気管虚脱も小型犬に多く発症します。こちらも、肥満が原因のひとつ、とされています。

さらに、太っていると血液中の脂質が多いため血液がドロドロになり、高血圧を引き起こすこともあります。高血圧は心臓や腎臓に負担をかけるので、二次疾患発症の危険性も高まります。

また、脂質や炭水化物など、偏った食事を続けることで、糖尿病の危険性もあるのです。

愛犬が太ってしまう「ダメ習慣」からの改善方法

前章で説明しましたように、犬が肥満になってしまうと病気になる危険性が高くなるのは明らかです。

そしてその原因が、飼い主さんの「ダメ習慣」だとしたら…?

そこでここからは、愛犬が太ってしまう「ダメ習慣」からの改善方法について解説します。冒頭の「ダメ習慣」に身に覚えがある場合は、愛犬のためにも今すぐ悪い習慣は改善して、愛犬が肥満にならないようにしておきましょう。

定期的に体重測定をする

まず基本中の基本ではありますが、愛犬の体重は把握していますでしょうか。

犬の1キロは、人間のおよそ10キロに相当します。つまり、犬は体重が数百グラム増えるだけでも、体への負担は相当なものとなるのです。

犬種ごとに目安の体重は異なりますが、その子の年齢・骨格や筋肉量によっても適正体重は変わってきます。もし今まであまり意識してこなかった、と言う場合は、一度かかりつけの動物病院の先生に確認することをおすすめします。

「ボディ・コンディション・スコア」をチェックする

「ボディ・コンディション・スコア(BCS)」をご存じでしょうか。これは、犬の体型を分かりやすく評価するツールです。

肋骨や腰回りの皮下脂肪の厚さとウエストのくびれの状態を見て「痩せすぎ」から「肥満」までの5段階で表します。手触りと見た目で、飼い主さんもある程度判断できます。

こちらもまずは獣医師さんに尋ねてみましょう。

適度な運動習慣

適度な運動習慣も、もちろん肥満解消には欠かせません。

毎日の散歩はもちろん、ドッグランやお出かけなど、積極的に外に出ましょう。

また、朝日を浴びることで「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンが分泌され、精神の安定や幸福感にも繋がり一石二鳥です。

年齢や体格に合った食事を与える

愛犬のフードは、長らく同じものを与えることが多いと思います。愛犬も気に入って食べているのでなおさらですよね。

しかし、一度フードの見直しを検討してみてください。愛犬の年齢や体格に合っているか、また、フードの原材料はどのようなものか、把握できていますでしょうか。

高タンパク質のものを与えると、満腹感を得られやすく肥満対策に繋げることもできます。

さらに、おやつをあげる頻度の見直しや人間の食事を与えないようにするなど、人間側がダメ習慣を改善することも同時に行うことが大切です。

まとめ

今回は、愛犬が太ってしまう「ダメ習慣」について解説しました。

犬は食べることが大好きですし、運動があまり好きではない子もいます。そのため、飼い主さんが少し油断してしまうだけで、あっという間に愛犬の体重は増えてしまう可能性がある、ということを常に注意しておく必要があります。

犬は自分で健康管理をすることができません。大切な愛犬の健康管理がうまくいくかどうかは、飼い主さんの日頃の習慣や行動のひとつひとつにゆだねられています。

この記事をきっかけに、今一度ご自身のライフスタイルを見直してもらえると嬉しいです。愛犬の健やかな暮らしを正しくサポートしてあげましょう。

(獣医師監修:寺脇寛子)

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