豪出身DJクレイトンさん、音楽の力で上山盛り上げ 先月移住、「目標は蔵王でフェス」

マルシェでDJをプレーするクレイトン・フォックスさん=上山市・上山城

 上山市に先月移住したオーストラリア人の音楽プロデューサー兼DJ、クレイトン・フォックスさん(28)=メルボルン市出身=が上山での活動を本格化させている。今月6、7日には上山城で開かれたマルシェに参加。流ちょうな日本語で「落ち着いた雰囲気がクリエーティブな仕事にぴったり。上山をカルチャーであふれる、にぎやかなまちにする」と話す。

 11歳でDJを始め、日本文化が好きだった母親の影響で、幼い頃から日本のミュージシャンの曲を聴いていたという。岡山大などに留学し、大阪や東京でのDJイベントに出演するようになった。メルボルン市に戻った際に新型コロナウイルス禍に見舞われ、外出制限が続く中で制作した曲やリミックスをオンラインで発表し、人気を得た。

 その後、東京での生活を経て上山に移住したのは、所属する音楽レーベル「ミヤテラス」の主宰者・太田直樹さん(49)=上山市出身=の誘いがきっかけだ。昨年末から年始にかけて市内に滞在。「住んでいる人が温かくて意欲的だし、食べ物、ワインはおいしく、風景もいい。東京には新幹線ですぐ行けるし、不便さはない」と考えて決断した。

 すでに市内産ワインや市民俗行事「加勢鳥(かせどり)」をテーマにした楽曲制作に取り組んでいる。今後は、ミヤテラスがJRかみのやま温泉駅前の空き店舗に設置するレコーディングスタジオを拠点に活動するという。都内や仙台市内でのイベントに出演するほか、エフエム山形が今年夏ごろから実施する新人アーティストの発掘オーディションのプロデュースも担当する。

 「彼を中心に、国内外のミュージシャンなどたくさんの人が上山に集まって新しい文化を生み出してほしい」と太田さん。クレイトンさんも「目標は蔵王で音楽フェスを開催すること。自分がまちを盛り上げる存在になりたい」と力強く語った。

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