NZ中銀、6会合連続で政策金利据え置き 「インフレ抑制に必要」

Lucy Craymer

[ウェリントン 10日 ロイター] - ニュージーランド(NZ)準備銀行(中央銀行)は10日、政策金利のオフィシャルキャッシュレート(OCR)を6会合連続で5.5%に据え置いた。これまでの利上げが景気減速や物価高抑制に寄与したとの見方を改めて示す一方、インフレはなお目標を上回っていると指摘した。

ロイター調査ではエコノミスト29人全員が据え置きを予想していた。

金融政策委員会の議事要旨は「制約的な金融政策を継続することは生産、雇用、金利、為替レートの不必要な不安定化を回避しつつ、インフレを抑えるために必要」とした。

中銀の声明によると、委員会は消費者物価上昇率を目標レンジ(1─3%)に戻すため、金利を制約的な水準で当面維持する必要があるとの意見で一致した。

中銀はリスクバランスが2月の声明からほとんど変わっていないとも指摘した。

ANZのチーフエコノミスト、シャロン・ツェルナー氏は、確度が相当高まらない限り、中銀は利下げを検討しないと指摘。

「(議事要旨によると)委員会はインフレ見通しのさまざまな上振れリスクと下振れリスクを討議したが、現在の『注視し懸念し様子を見る』というスタンスを変えるものは何もないと判断した。現時点で利下げ時期について強いスタンスを示す必要はなく、示したくもないと考えている」と述べた。4月の声明文は同氏の記憶にある限り、最も短いものだったという。

NZドルは金利決定を受けて3週間ぶり高値の1NZドル=0.6077米ドルに上昇。0.3%値上がりしている。

市場は引き続き8月の利下げを予想。ただ、確率はこれまでの100%以上から92%に低下した。今年の利下げ幅予想は63ベーシスポイント(bp)から60bpに小幅に縮小した。

NZの前年比インフレ率はここ数カ月で低下し、現在4.7%だが、中銀は年内に目標に回帰すると予測している。

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