新入生の勧誘活動 制限ない生活に期待

コロナ禍を経て大学生になった新入生に向けた、サークルや部活動への勧誘イベントが専修大学で行われました。中学や高校を行動制限の中で過ごしてきた新入生たちは、“自由”な大学生活への期待に胸を膨らませますが、不安な点もあるようです。

(梅村記者)
「多くのサークルが新入生にビラを配っていて、非常に賑わっています」

専修大学では4月9日、40以上のサークルや部活動に所属する在校生による新入生の一斉勧誘活動が行われ、学生たちの活気あふれる声が飛び交いました。

コロナ禍に中止されていた新歓活動は去年復活したものの、原則マスク着用だったため、コロナ前と同じ、制限のない活動は5年ぶりだということです。中学や高校でコロナ禍を経験し、行動を制限されてきた新入生たちが期待することは、やはり思い通りに過ごせる大学生活のようです。

(専修大 新入生)
「イベントとか行事とかも、コロナが収まってきたのでもっと盛り上がってくると思うので、交友関係を広げていきたい」「今まで通り活動できるっていうのはありがたいことだと思うので、機会を十分に生かしていきたい」

新生活を楽しみにしている新入生たちですが、お金の面では不安もあるようです。

東京地区私立大学教職員組合連合によりますと、去年、首都圏の私立大学に入学した学生の、受験から入学までにかかった費用は、前の年より4万6000円増え約230万円で、過去最高だったということです。

物価の高騰が大学生活にも影を落とす中、専修大学の新入生は、金銭面のやりくりについても、上級生からアドバイスをもらっていました。

(専修大 上級生)
「一人暮らしで何か作るの面倒くさいからとりあえずどこかにラーメン食べに行こうかなとか。そういうのを減らしていくと、無駄な食費を削れるのかなっていう風に僕は思います」

これから本格的に始まる学生生活。節約など暮らし方の工夫も学んでいくことになりそうです。

一方で、経済的な面では厳しい状況にあり、学業にも影響が出そうですね。

東京私大教連が、去年4月に首都圏の私立大学に入学した学生の保護者への調査で、受験から入学までの費用が、自宅外からの通学者で230万円、自宅からの通学者は162万円だったことが分かりました。どちらも前の年から増加し、過去最高額だということです。要因としては、物価高騰の影響が大きく、特に生活用品は4万5000円近く支出が増えました。

一方で、仕送りについては、月額の平均が8万9300円で、平均の家賃額を差し引くと1万9600円で、1日あたりに換算すると653円となります。30年前と比べると、5万円近くの差が出ています。

アルバイトをしないと学生生活が成り立たない状況ですが、学業への影響が心配になりますね。調査を行った東京私大教連は、「国の給付型奨学金制度の拡充」を求めています。

そしてもうひとつ、新生活を送るうえで、注意が必要なことがあります。20代の割合が48.3%。他の年代に比べて飛び抜けて多くなっているんですが、これは急性アルコール中毒で搬送された人の割合になります。コロナ禍前の2019年には、東京消防庁管内で1万8000人が搬送され、およそ半分が20代でした。

今年は、新型コロナの5類移行後、初めての歓迎会シーズンとなりますが、どんなことに気を付けているのか、大学生に聞いてきました。

(大学4年生)
「みんな周りにちょっとずつ気を配りながら、早すぎる人がいたら大丈夫?みたいな感じで一言声かける人が多い」

(大学4年生)
「潰れたことあるし介抱したことあるし警察沙汰にもなったことはありますけど。一気飲みあります、今はないです」

(大学2年生)
「弱い子とかに強制的に一気とか場の流れでやらせると、後戻りできないようになるので。上級生がうまくやってくれればいいんじゃないかな」

酒を巡る事故で子どもを亡くした親らでつくる、イッキ飲み防止連絡協議会の担当者は、「飲み慣れないメンバーでの集まりも想定され、より警戒が必要だ。酒は飲み方次第では死亡する可能性があるとしっかり認識しておくべき」と呼びかけています。

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