伊能忠敬も称賛した、あの“天下の絶景”がコーヒー片手に楽しめる…23日、番所鼻自然公園に新施設オープン 南九州市

絶景が見渡せる拠点施設と、整備に携わった原本太郎さん(中央)ら関係者=南九州市頴娃の番所鼻自然公園

 鹿児島県南九州市頴娃の番所鼻自然公園に23日、新たな拠点施設がオープンする。かつて伊能忠敬も称賛した“天下の絶景”とコーヒーが楽しめる「OPEN PARK BASE(オープンパークベース)」。シェアキッチンなどさまざまな活用構想があり、関係者は「公園が、より自由で開かれた空間になってほしい」と願いを込める。

 施設はコンクリート平屋建てで、曲線的な屋根は自然の光を取り入れる造り。58平方メートルの店内にはキッチンや広々とした窓があり、雄大な開聞岳と東シナ海を見渡せる。公園の管理運営を行う一般社団法人「アソビシロ」に市が設計などを委託し、約3000万円かけて整備した。

 アソビシロ代表の原本太郎さん(35)は、3月末まで同市の地域おこし協力隊員だった。これまでも園内の森林整備や絶景を生かした飲食イベントを開いており「景観や自然のポテンシャルは高い。あとはゆっくりと楽しめる環境が必要だと考えた」と語る。

 施設の核となるコーヒースタンドは、園内に生息する鳥から「イソヒヨコーヒー」と命名。シェアキッチンとして出店希望者を支援する事業や、研修やイベントでの貸し切り利用も検討中だ。

 「地元の店とのコラボ商品を販売するなど、今後は町とのつながりも深めていきたい」と原本さん。2025年度には森の木を生かしたキャンプも計画中で、住民らの意見も取り入れながら公園のさらなる発展を目指す。

「薩摩富士」とも称される開聞岳と東シナ海を番所鼻自然公園から望む=2022年撮影
新たにオープン予定の拠点施設。コーヒーと絶景が楽しめる=南九州市頴娃の番所鼻自然公園

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