「胸張り裂けるほど過酷な状況」 ガザ子ども支援NGOのリーダー

支援団体から食事の配給を受け取る子ども=1日、パレスチナ自治区ガザ中部デールバラハ(ゲッティ=共同)

 【エルサレム共同】パレスチナ自治区ガザで子どもを支援する国際非政府組織(NGO)「セーブ・ザ・チルドレン」のチームリーダー、カリン・ビーティー氏が10日までに取材に応じた。子どもたちはイスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘にさらされ食料不足も深刻だと強調。「胸が張り裂けるほど過酷な状況にある」と訴えた。

 ビーティー氏は、多数の避難者が集まるガザ最南部ラファで活動を統括している。オンライン取材に対し、医療環境は非常に厳しく栄養不良が悪化していると指摘。「誰もが空腹」で、食料価格は高騰し「小麦20キロが千ドル(約15万円)したこともあったと聞いた」と話した。

 戦闘で3万3千人以上が亡くなる中でも、子どもたちは「夢について語っている」と説明した。ただ現実には、夢をかなえるどころか「明日には両親を失うかもしれない状況にある」と嘆いた。

 同氏は「子どもたちには安全でいられるよう守られる権利がある」と語気を強めた。「完全な停戦が必要だ」と述べ、イスラエルとハマス双方に働きかけるよう国際社会に求めた。

支援団体による食事の配給を待つ子どもたち=5日、パレスチナ自治区ガザ中部デールバラハ(ゲッティ=共同)

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