「事業計画の破綻が明らかになった」静岡工区以外でもリニア工事の遅れに川勝知事が痛烈批判

リニア中央新幹線の工事が静岡工区以外でも遅れていることが発表され、静岡県の川勝平太知事は4月10日、県庁で開かれた会見でJR東海に対して「当初の事業計画が破綻したことが明らかになった」と痛烈に批判しました。

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<静岡県 川勝平太知事>
「国交大臣が認可した事業計画を裏切っている。当初の事業計画が破綻したことが明らかになった」

静岡工区の着工を認めてこなかった川勝知事。

JR東海は4月4日、静岡工区だけでなく山梨県と長野県の一部のリニア工事が当初開業予定の2027年までに間に合わないと発表。構造物の設計などに時間を要しているのに加え、現在も未着工の静岡工区の状況を踏まえると、工事の完了は山梨・長野ともに2031年を見込んでいるということです。

完成の延期が公表された長野県飯田市では…。

<地元の人は>
「だいぶ遅れているじゃないですか」

「それ(リニア)があるからしょうがないと思って離れた(立ち退いた)方もいると思うので配慮をしてもらいたい」

<長野県飯田市 佐藤健市長>
「(JR東海から)静岡工区の着工から10年かかるので、その時間の中で収まるので問題はないような趣旨の発言もあったように聞いていますけど、それは事業者側の都合であって、住民からすれば工事の時間が長くなるというのは負担が大きくなるということ」

JR東海は「開業時期に直結するのは静岡工区」との考えに変化はありません。

<静岡県 川勝平太知事>
「根本的に見直しの状況になっている」

4月10日、辞表を提出した知事ですが、JR東海との火種は残りそうです。

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