2024年本屋大賞は「成瀬は天下を取りにいく」 宮島未奈氏が絶叫「滋賀の皆さん見てますかー」

宮島未奈氏。右は作家の凪良ゆう氏

全国書店員が〝一番売りたい本〟を決める「2024年本屋大賞」が10日に都内で発表され、宮島未奈氏(40)の「成瀬は天下を取りにいく」(新潮社)が選ばれた。

同作は滋賀県大津市を舞台に主人公の中学生の成瀬あかりが、コロナ禍で閉店を控える百貨店に毎日通い中継に映ると言い出したり、幼なじみと漫才コンビを結成しM―1グランプリに挑戦するなど我が道を突き進む青春ストーリー。

同作が本屋大賞にノミネートされてからJR膳所駅には同作の看板が設置され、物語に登場するスポットを巡るスタンプラリーが開催されるなど盛り上がりを見せている。宮島氏は「滋賀の皆さん見てますかー?成瀬が本屋大賞取りました!」と滋賀県民と喜びを分かち合った。

成瀬がM―1グランプリに挑戦するストーリーに自身を重ね「本屋大賞はM―1グランプリのような賞だと思っています。優勝したコンビがずっとM―1王者と呼ばれるように、本屋大賞を受賞した方も本屋大賞作家としてずっと呼ばれる。私もこれから本屋大賞作家の看板を背負うと思うと身が引き締まる思いです」と決意を語った。

宮島氏は21年に「ありがとう西武大津店」で第20回「女による女のためのR―18文学賞」大賞、読者賞、友近賞をトリプル受賞。23年に同作を含む「成瀬は天下を取りにいく」でデビュー。40万部突破を果たし「本屋大賞」をはじめ14冠に輝いた。

コロナ禍に小説家人生をスタートさせた宮島氏は「たくさんの人にお祝いしてもらう未来があったということをとても驚いています」と感慨深そうに語った。作中で成瀬が「先のことは分からない」という台詞があり「来年の本屋大賞の発表会までの1年間も今の私には想像ができないことがたくさん起こるんじゃないかと思っています。でも成瀬と一緒ならきっと大丈夫です」と笑顔を見せた。

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