ガザ市民「とにかく戦闘やめて」 ラマダン明け祝祭は閑散

避難民らが密集するパレスチナ自治区ガザ最南部ラファ=10日(共同)

 【ラファ共同】「訪れるはずの友人や親族が死んでしまった」「悲しみが街を覆っている」。パレスチナ自治区ガザでイスラム教のラマダンが9日に終わり、10日から祝祭「イード」の期間に入った。例年、街は飾り付けられ子どもの笑い声が響くが今年は閑散。「とにかく停戦を」。市民は共同通信ガザ通信員に悲痛の叫びを語った。

 避難民ら約150万人が密集するガザ最南部ラファ。アハメド・アブアタさん(36)は「ガザ市の自宅は爆撃され、親友も親族も死んだ。毎年イードのときに訪れていた人たちがいなくなった」と涙ぐんだ。「テントでイードを迎えても何も楽しくない。とにかく早く戦闘をやめてほしい」

 サミヤ・ハタブさん(23)は「こんなに悲しいイードは初めてだ」と嘆いた。「私の兄たちはまだガザ市にいる。彼らと会えないイードに意味はない」と肩を落とした。

 6人の子どもと共にテントで暮らすアブユスフさん(50)は「いつもならオーブンでマアムールを焼くが、今年は屋外で火をおこし、つくるつもりだ。少しでも子どもたちを喜ばせたい」と語った。

イスラム教の祝祭に入ったパレスチナ自治区ガザ南部ラファで、戦闘で死亡した人々の墓参に訪れた女性ら=10日(ロイター=共同)

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