卒園写真の撮影ありがとう 福島県郡山市の2幼稚園 50年の歴史に幕、写真館主の佐藤幸照さんに感謝

渡部園長から感謝を込めた卒園証書を受ける佐藤さん(中央左)

 福島県郡山市の美幸写真館は5月末で約50年間の歴史に幕を閉じる。市内のあけぼの幼稚園と柴宮幼稚園は、長い間両園の卒業アルバムを制作してきた写真館創業者の佐藤幸照さん(73)に、あけぼの幼稚園でサプライズ感謝イベントを開いた。

 写真館は佐藤さんが1974(昭和49)年に創業。1人で地域の幼稚園や小学校、専門学校などを駆け回り、シャッターを押し続けた。あけぼの幼稚園で46年間、柴宮幼稚園で41年間、園児の思い出の1ページを画角に収めてきた。

 佐藤さんは数年前から自身の年齢を考慮し、店じまいを決めていた。孫の弘基ちゃんが今年3月にあけぼの幼稚園を卒園したのに合わせ、閉館を待たずに両園での撮影を退くことになった。

 感謝イベントには、両園の職員約70人が出席した。あけぼの幼稚園の渡部浩一園長が佐藤さんに卒園証書を手渡し、職員が花束や寄せ書きなどを贈った。佐藤さんは「思いがけないサプライズに驚いている。長い間ありがとうございました」と話した。

 佐藤さんは「七五三や入学式など、地域の皆さんにたくさん利用してもらった。店を閉めても写真を撮り続けたい」と話した。

(郡山版)

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