宮島に宿泊施設誘致計画 住民が「反対」の署名活動 広島県廿日市市

廿日市が宮島に建設を検討している高付加価値の宿泊施設について、住民らは環境破壊などを理由に誘致に反対する署名活動を始めました。一方で、市は丁寧に説明したいとしています。

■宮島包ヶ浦自然公園を守る会 正木 文雄 共同代表

「子供や孫たちに自然豊かな包ヶ浦自然公園を残さないといけないという強い思いが結集して」

廿日市市が宿泊施設の建設を検討しているのは海水浴場にもほど近い包ヶ浦自然公園です。

■宮脇 靖知 アナウンサー

「宮島桟橋から東へおよそ3キロほど緑に囲まれた広大な敷地が施設を建設する際の予定地となっています。」

7万平方メートル余りの敷地に1部屋平均10万円以上の客室を50室ほど備えます。市は誘致により年間約2000万円の維持費を削減できる上、島内全体への経済効果を4億5000万円と見込みます。

誘致に反対する会の共同代表の一人、正木さんは環境破壊や島内での働き手が不足する問題のほか、建設を前提に話が進んでいることに疑問を抱きます。

■宮島包ヶ浦自然公園を守る会 正木 文雄 共同代表

「ホテルを建てるのはいかがなものか検証されていないデメリットやメリットが何も説明がない住民にも」

廿日市市は今年度の予算に事業者選定のための費用など1300万円あまりを計上していますが、住民との協議を前に公募は始めないとしています。

■廿日市市 松本太郎市長

「世界遺産が抹消されるのではないかとか自然が破壊されるそういった正確な情報が伝わってない方にできるだけ早く正確な情報を伝えることが大事だと考えている」

一方で、これまでに町民への説明が一度も行われていないとし、4月から建設反対の署名活動が始まっています。

■住民

「環境も大事住民の意思も大事発展も大事その三者が合致するところでやらないといけない」

4月19日には市と住民の代表が今後の協議に向けて話し合いの場をもつことになっています。

【2024年4月10日 放送】

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