4月9日(日本時間10日)、ウエスタン・カンファレンス10位のゴールデンステイト・ウォリアーズは敵地でロサンゼルス・レイカーズ相手に134-120と圧勝。今季成績を44勝35敗(勝率55.7%)とし、9位のレイカーズ(45勝35敗/勝率56.3%)とのゲーム差を0.5へ縮めている。
連勝のウォリアーズはクレイ・トンプソンがチームトップの27得点に3アシスト、ステフィン・カリーが6本の3ポイントをノーミスで沈めて23得点、7リバウンド、8アシスト、2ブロック、ドレイモンド・グリーンが6本中5本の長距離砲を決めて15得点に6リバウンド、10アシストをマーク。ビッグ3だけで計16本の3ポイントを決め、今季のレイカーズ戦は3勝1敗と勝ち越しに成功した。
3年連続のプレーオフ出場権を掴み取るために重要な試合が続くなか、この前日に公開されたグリーンのポッドキャスト『The Draymond Green Show』にトンプソンがゲスト出演。今季終了後にFA(フリーエージェント)になる34歳のベテランは、長年苦楽を共にしてきたチームメイトの前でこう話していた。
「ダブス(ウォリアーズ)とは再契約したい。でも同時に自分のメンタルヘルスも優先させないといけない。キャリアもここまで来たから、自分にとって何が重要なのかを打ち出していかないとね」
今季がキャリア13年目(実働11年)のトンプソンは開幕から調子が上がらず、11月はフィールドゴール成功率が3割台と低迷し、2月にはルーキーイヤー以来となるスタメン落ちを経験。現在はシックスマンから再び先発に復帰したが、本人が語ったように精神的にもタフなシーズンとなっている。
トンプソンの今季年俸は4322万ドル(約63億円)と高額で、カリーやグリーン、アンドリュー・ウィギンズと大型契約を締結し、サラリーキャップを超過しているウォリアーズにとって同額のサラリーを支払うことは難しい。
ただ、リーグのあるエグゼクティブは「クレイはどこにも行かないだろう。ウォリアーズがそうはさせない。4度のチャンピオンであり、彼の代わりなどいない」と残留を予想。その一方で、彼に関心を持つチームにデトロイト・ピストンズとオーランド・マジックの名前を挙げていた。
トンプソンにとって2023-24シーズンがウォリアーズでのラストイヤーになるのか。それともオフに減額を呑んで“ダブス”一筋でNBAキャリアを終えることになるのか。現役屈指のピュアシューターがどんな決断を下すのか注目が集まる。
文●秋山裕之(フリーライター)