【ランキング】2024年3月の児童書人気ランキング発表&おすすめ新刊紹介

【ランキング】2024年3月の児童書人気ランキング発表&おすすめ新刊紹介

2024年3月の児童書人気ランキングBEST10【2024/3/1~3/31】

今、どんな児童書が読まれ、売れているのでしょう。こちらでは、絵本ナビの1ケ月の売上ランキングから、人気の児童書情報をお伝えします。児童書はロングセラー作品が上位を占めがちなのですが、少しずつ新刊や季節に合ったお話などもランクインしています。さて、春休みもあった2024年3月の人気ランキングは?

また、素敵な児童書の新刊もぞくぞくと刊行されていますので、2024年1月~3月に刊行された注目の新刊も合わせてご紹介します。「なにか面白い本はないかな?」と思った時の本選びに、ぜひご活用下さい。

目次1. 2024年3月の児童書人気ランキングBEST10【2024/3/1~3/31】 2. 2024年3月児童書ランキング第11位から20位にランクインしたのは…… 3. おすすめ新刊読み物情報 3.1. 小学1、2年生向けの新刊 3.2. 小学3、4年生ぐらいからおすすめの新刊 3.3. 小学5、6年生ぐらいからおすすめの新刊 3.4. 大人の方にもおすすめの新刊

2024年3月の児童書売上ランキング第1位は、がまくんとかえるくんのユーモラスで温かい友情物語

ふたりはともだち

作:アーノルド・ローベル
訳:三木 卓
出版社: 文化出版局

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仲良しのかえる、がまくんとかえるくん。ふたりの間で繰り広げられるのは、濃くて、可笑しくて、ちょっぴり切ない……様々な愛すべきエピソード。アーノルド・ローベルの「がまくんとかえるくん」シリーズは幼年童話の傑作として、子どもから大人まで、たくさんの人たちに40年以上も愛され続けています。

そのシリーズ第1作目が『ふたりはともだち』、5つのお話が収録されています。

春が来たからと大急ぎでがまくんの家に走っていき、「おきなよ!」と大きな声で呼びたてるかえるくん。お日さまがきらきらして、雪も溶け、新しい一年がはじまったかと思うと、いてもたってもいられないのです。ところが、がまくんは布団の中。もう少し寝ていたいのです。11月から眠っているがまくんは「5月半ば頃にまた起こしてくれたまえよ。」なんて言うのです。そこで、かえるくんは……?

がまくんを外に連れ出して遊ぶためなら頭の回転だって早くなるかえるくんと、カレンダーに合わせて簡単に5月だと思い込んでしまうがまくん。最初のお話「はるがきた」で、幼さと可笑しさがたっぷり詰まったふたりのキャラクターを存分に味わうことができます。

続く「おはなし」と「なくしたボタン」では、それぞれのやり方でお互いを思いやっている様子(大いに巻き込みながらね)を、「すいえい」ではちょっぴりブラックな面をのぞかせつつ、思いっきり笑えるエピソードを披露してくれます。

すっかりふたりの世界観に夢中になった頃、登場するのが最後の「おてがみ」です。

悲しそうな顔で玄関にすわっているがまくん。なんでも「もらったことのないお手紙を待つ時間」なんだと言うのです。それを聞いたかえるくんは、がまくんに内緒でお手紙を書くことにします。ところが、配達を頼んだのがかたつむりくんだったので……。

国語の教科書に採用されたことで、今では多くの子どもたちに知られているのがこのお話。いずれ届くことも、その内容までもわかっているお手紙をじっと待つがまくんとかえるくん。その幸せそうな様子に、「手紙」の持つ力を感じずにはいられませんよね。

シリーズ4冊。がまくんとかえるくんのキャラクターを知れば知るほど、どのお話も読み返したくなる珠玉のエピソードばかり。日本では三木卓さんの翻訳で楽しむことができます。

(磯崎園子 絵本ナビ編集長)

合わせておすすめ「がまくんとかえるくん」シリーズ

4冊セットにA5版クリアファイルがついたギフトセットもおすすめ。

【ギフトBOX】(特製A5版クリアファイル付き)アーノルド・ローベル ベストセレクト4冊セット

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初めての本格的な冒険物語との出会いに! ただいま兵庫県明石市で展覧会も開催中♪

エルマーのぼうけん

作:ルース・スタイルス・ガネット
絵:ルース・クリスマン・ガネット
訳:渡辺 茂男
出版社: 福音館書店

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さあ、リュックサックに道具をつめて、エルマーと一緒に冒険の旅に出発しよう!

これは僕の父さん、エルマーが小さかった頃のある冒険のお話です。ある雨の夜、エルマーは、年取ったのらねこから、「どうぶつ島」に捕らえられているかわいそうなりゅうの話を聞きます。りゅうは、空の低いところに浮いていた雲から落っこちてきたちっちゃな子どものりゅうで、ジャングルの猛獣たちに捕まえられて、川を渡るために働かされているというのです。

エルマーは、すぐに助けに行こうと決心します。早速ねこにどうぶつ島のことや、持っていくものを教えてもらい、旅の準備に取り掛かります。エルマーがリュックサックにつめたのは、「チューインガム、ももいろのぼうつきキャンデー二ダース、わゴム一はこ、くろいゴムながぐつ、じしゃくが一つ、はブラシとチューブいりはみがき‥‥‥」などなどたくさんの道具。そして「どうぶつ島」へと繋がる「みかん島」行きの船に忍び込んだエルマーは、六日六晩たってようやく「みかん島」へ。ここで食料のみかんをリュックいっぱいに詰め込んで、夜の間に「どうぶつ島」へと渡ります。

「どうぶつ島」へ着くと、早速りゅうがつながれている川を探しに、気味の悪いジャングルの中を歩いていくエルマー。ジャングルでは、おかしな喋り方をするねずみや、うわさ好きのいのししに出くわしたり、とら、さい、ライオンなど恐ろしい猛獣たちにつぎつぎと出くわします。猛獣たちはたいていお腹をすかせていて、食べられそうになることもしばしば。さてエルマーは、どんな風に猛獣たちの危険をくぐり抜け、どうやってりゅうを助け出すのでしょうか?
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(秋山朋恵 絵本ナビ編集部)

つづきやセットも合わせておすすめ♪

第3位は同数の売れで、2タイトルが並びました。

ネートと一緒にナゾを解こう! シリーズは全部で17巻!

ぼくはめいたんてい(1) きえた犬のえ(新装版)

文:マージョリー・W・シャーマット
絵:マーク・シーモント
訳:光吉 夏弥
出版社: 大日本図書

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1982年の発売以来、たくさんの子どもたちに愛され、読み継がれてきた「ぼくはめいたんてい」シリーズの第1巻目。マージョリー・W・シャーマットさんによる全17巻となるこちらのシリーズは、5歳ぐらいから小学校低学年の子どもたちにちょうど良いハラハラさで、子どもたちがはじめて物語の楽しさに出会えるシリーズでもあります。つぎつぎにネートに降りかかるナゾ解きの面白さはもちろんのこと、巻ごとに増えていく個性的な登場人物、ネートからママへの置き手紙の内容など、読めば読むほど多くの楽しみをも発見できるでしょう。

すべての漢字にふりがながついているので、はじめての読み物としてもぴったり。ひとり読みに移る前に、まずは読んであげながら親子で一緒にナゾ解きを楽しんでみるのもいいですね。シーモントさんの温かくユーモアたっぷりの挿絵と、訳者の小宮由さんの柔らかな語り口も、子どもたちの読書をやさしく応援してくれます。お話の最後には「めいたんていのこころえ」もついていて、もし周りでなにかナゾが起きた時の役に立つかも!? さあ、ネートとどんどんナゾを解いて、一緒に名探偵になろう!

(秋山朋恵 絵本ナビ編集部)

楽しく個性的な登場人物がいっぱい!

好きな巻から読んでも!(17巻だけは最後に読むのがおすすめです)

だれにでも失敗はある。子どもたちを励ます「かんぱい」シリーズ第1弾のお話です。

しっぱいにかんぱい!

作:宮川 ひろ
絵:小泉 るみ子
出版社: 童心社

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表紙には、リレーのバトンを持って走る女の子。運動会でしょうか。タイトルが『しっぱいにかんぱい!』ですから、何か嫌な予感が…?

「おねえちゃんは、けさも牛乳をのんだだけでした。そのまんま口もきかずに自分の部屋へ、ひっこんでいってしまいました」という始まりの文から、予想通り?何かショックな出来事がおねえちゃんの身に起こったことがうかがえます。ゆうべから何も食べていない、というおねえちゃん、このおねえちゃんこと6年生の加奈は、前日の運動会のリレーで失敗をしてしまったのです。落ち込んだ加奈には、おとうさんやおかあさんの慰めの言葉も全く届きません。弟の達也は心配でおろおろするばかりです。そこに、おじいちゃんから1本の電話が入ります。おじいちゃんにお昼によばれて集まったのは、親戚のおじさん、おばさんと、いとこの洋とまなみ。ふとしたきっかけからみんなのしっぱい話が始まります。洋のしっぱい、まなみのしっぱい、弟達也のしっぱい、おばさんのしっぱい、そしておじさんのとんでもないしっぱい…。それぞれ大変な思いをしたけれど、今は笑いながら明るく語る姿を見て、加奈も自分のしっぱいを語り出すのでした。

大人になればしっぱいの1つや2つは当たり前。けれど子ども達にとっては初めて経験するショックな出来事でしょう。このお話は、そんな子ども達を励まし、勇気づけてくれる頼もしい存在です。

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(秋山朋恵 絵本ナビ編集部)

「かんぱい」シリーズ、こちらも合わせておすすめ。

第5位 おはなしきょうしつ

教室にある身近なものたちのおしゃべりが聞ける一口童話集

おはなし きょうしつ

作・絵:さいとう しのぶ
出版社: PHP研究所

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学校に通う子どもたちが教室でふだん目にしている、たくさんの道具やものたち。
ページを開くと、なにやら楽しそうなひそひそ声が聞こえてきますよ。
ちょっと聞いてみましょう。

「ふでばこ」―ふでばこがしたじきに、もんだいを出しています。
「さて、もんだいです。きょう、ぼく ふでばこの なかには、なにが はいっているでしょうか?」
したじきはすぐに こたえます。「えんぴつと けしごむと ものさし、それから、あかえんぴつも はいってる」
「せいかいです。でも、まだ、なにか はいっています」…。
(さて何がはいっていたのでしょうか?)

「うわぐつ」―うわぐつの かたほうが いいました。「あした、おやすみだよね」「うん、そうだよ」もうかたほうが答えると、
「もうすぐだね。もうすぐしたら、いえに かえって きれいに あらって もらえるんだね」「たのしみだね」…。
(うわぐつたちは、このあと無事に洗ってもらえたのでしょうか?)

教室で使われているものたちがどんなことを考えているのか、それぞれの特徴がよく表れていて、なるほど!と思ったり、くすっと笑ってしまったり。他にも、リコーダーとピアニカ、あかしろぼう、ランドセル、給食のパン、黒板消し、通知表など、教室でおなじみのものがつぎつぎに登場してきては、楽しいお話を繰り広げていきます。
1話の長さは見開き1ページ。親子での読み聞かせタイムや、学校でのちょっとした時間の読み聞かせにもちょうどいいボリューム。

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(秋山朋恵 絵本ナビ編集部)

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第6位 表現力が伸びる!気持ちを伝える!小学生のためのことば変身辞典

その「気持ち」にぴったりな言葉を見つけてみよう! 語彙力がつき表現力が伸びる頼もしい一冊。

表現力が伸びる!気持ちを伝える!小学生のためのことば変身辞典

著:こな・つむり
監修:深谷 圭助
出版社: カンゼン

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毎年夏になると多くの親子が苦労していると思われる「読書感想文」の宿題。
そんな読書感想文の悩みに寄り添い、助けてくれる頼もしい一冊が登場しました。

表紙には「読書感想文」の文字はありません。「ことば変身辞典」という文字が飛び込んでくるので、一見、ことばの本なのかと思いますよね。本書は確かにことばの本なのですが、ことばを変身させるということが読書感想文さらには文章を書くときの大きな助けに繋がることが本書を読むと分かります。

この本の著者である、こな・つむりさんは、「はじめに」のところでこんな風に言われています。
“この本は「思ったことを言葉にするのが苦手」「言いたいことはあるけれど言葉が出てこない」「読書感想文を書くのがめんどう」と感じたことがある子どもたち、そしてその親御さんに読んでもらいたい本です。”

ここで言及されている、思ったことを言葉にする難しさというのは、大人でも日々感じている方も多いでしょうし、もともと持っている語彙がまだ少ない子どもたちならなおのことでしょう。

本書では、読書感想文でよく使われる感情を表す13のことばに対して、それぞれ約10個の言い換えのことばを紹介してくれます。

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(秋山朋恵 絵本ナビ編集部)

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第7位 おしごとそうだんセンター(2024年4月新刊より)

「しごと」ってなんだろう? 親子で読みたい仕事を考える一冊

おしごとそうだんセンター

著:ヨシタケシンスケ
出版社: 集英社

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「しごと」ってなんだろう?
地球に不時着した宇宙人がやってきたのは、ちょっと風変わりな職業相談所。
宇宙人は相談所のスタッフと一緒に、この星で生きていくこと、働くことの意味について考えはじめる。
誰もが避けて通れない「仕事」の意味を問い直し、明日をちょっと明るくする、
すべての子どもと大人のためのヨシタケシンスケ版“ハローワーク”ストーリー!

第8位は、同数の売れで3タイトルが並びました。

第8位 番ねずみのヤカちゃん

声に出して読んで、ヤカちゃんの声の大きさを楽しもう♪

番ねずみのヤカちゃん

作:R・ウィルバー
絵:大社 玲子
訳:松岡 享子
出版社: 福音館書店

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ドドさん夫婦の家の壁と壁のすき間に住む、おかあさんねずみと、四ひきの子ねずみ。そのうち四ひき目は、「やかましやのヤカちゃん」とよばれていました。
どうしてこんな名前がついたかって?

それはね…このヤカちゃん、とてつもなく声が大きかったからなんです。

たとえばこんな風。おかあさんねずみが、ドドさん夫婦に存在を気づかれないよう「けっして音をたててはいけない」と注意している時も「うん、わかったよ、おかあさん」と答える声のなんと大きいこと!他にもおかあさんねずみの注意に対して、全部うんと大きな声で答えるヤカちゃんのお返事の繰り返しが何とも愉快でたまりません。でもお返事のしかたから、ヤカちゃんがとっても素直でまっすぐで良い子だということが伝わってきて、どんどんヤカちゃんを応援したくなってしまいます。けれどもやっぱりその大きな声のせいで、ドドさん夫婦の家にねずみがいることがばれてしまって……。

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(秋山朋恵 絵本ナビ編集部)

第8位 大どろぼうホッツェンプロッツ

おばあさんの大切なコーヒーひきが、大どろぼうホッツェンプロッツに盗まれた!

大どろぼうホッツェンプロッツ

作:プロイスラー
訳:中村 浩三
出版社: 偕成社

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盗まれたコーヒーひきを取り戻すため、大どろぼうホッツェンプロッツに、少年カスパールとゼッペルがあれこれ作戦をたて挑みます。さらに悪い魔法使いも登場し、どちらが勝つのか最後までハラハラドキドキ、一気に引き込まれます。

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第8位 ルドルフとイッパイアッテナ

ノラ猫として生きていくのに大事なこととは……!?

ルドルフとイッパイアッテナ

作:斉藤 洋
絵:杉浦 範茂
出版社: 講談社

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主人公は猫。まるごと猫の視点から語られるところが何より面白い1冊! 飼い猫からノラ猫の世界に突然入り込んだルドルフに、ノラ猫として生きていくのに大事なことを教えてくれるイッパイアッテナ。勉強することがなぜ大事なのか、どんな風に役に立つのかということも彼の手にかかれば深く納得できてしまうから不思議です。次第にめばえていくアツい友情にも注目下さいね。

つづきも合わせておすすめ

2024年3月児童書ランキング第11位から20位にランクインしたのは……

おすすめ新刊読み物情報

最後に2024年1月、2月、3月の新刊から、おすすめの作品をご紹介します。

※対象年齢は目安です。

小学1、2年生向けの新刊

どんなことを一緒にしたら、どんな関係だったら、ともだちっていえるのだろう?

ほんとにともだち?

著:如月 かずさ
絵:高橋 和枝
出版社: 小峰書店

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いっしょにいても別々に遊んでいて、あんまりしゃべらないし、そんなに笑ったりもしない。ねえ、ぼくたちって、ほんとに友だちなのかな? 友だちっていいな、と思えるような優しさに溢れた物語。

ぼくが帰り道で見つけた人懐っこいねこ。ぼくんちのねこになってくれたらいいな。

ぼくのねこ ポー

作:岩瀬 成子
絵:松成 真理子
出版社: PHP研究所

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放課後クラブが終わった学校からの帰り道。白い家の近くでねこを見つけた。つれて帰りたいなと思ったけれど、お母さんは「だめ」っていうかもしれない。
そのとき、ぽつっとぼくの首に雨があたった。雨がふりだしたら、ねこがびしょぬれになってしまうと思って、家につれて帰った。お母さんは「すてねこなら飼ってもいいけど」といって、ねこに心当たりがないか白い家の近くにたずねにいった。でも、誰もねこのことは知らなかった。ぼくは、ねこに「ポー」という名前をつけた。
ぼくのクラスに森あつしくんという子が転校してきた。森くんと仲良くなって話していると、「家族は両親と妹と、それからねこ」といった。そして森くんは、「だけど、ねこがね、いなくなっちゃったんだよ」とつらそうな顔をした。ぼくはなんだかむねが急にドキドキしはじめた。「しんぱいだね」といったけど、どんなねこ? とは聞かなかった。どんなねこか、知りたくなかった……。
少年の心の機微を丁寧な筆致で描いた幼年童話。

『すてきなひとりぼっち』の一平くんの、出会いと気づきのお話

ぼくは、ういてる。

作・絵:なかがわ ちひろ
出版社: のら書店

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ういていると、おもいがけないものがみえるんだー
ぼくは、ときどき ういている。ちょっとだけね。まわりからは、ただぼんやりしているようにみえるらしくて、しかられたり、わらわれたり、おいていかれたりする。だけど、いやなことばかりでも ない・・・

一平君のあたらしい出会いを描いた物語

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小学3、4年生ぐらいからおすすめの新刊

「青空小学校いろいろ委員会」シリーズ最新刊。今回は、学級委員になった男の子のお悩みです。

学級委員は負けない

著:小松原 宏子
絵:あわい
出版社: ほるぷ出版

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4年1組の学級委員は、いつもクールなたよれるヒーロー、ショウタ! 勉強もよくできて、なんでもよく知っていて、学級委員の仕事もばっちり……のはずなのに、ある日、ショウタにあやしい手紙が届きます。「おまえは がきゅういいんに ふさわしくない」!? その手紙をみて、ショウタが思ったことは、「ちいさい『つ』が足りない」。いつものショウタなら、それで終わってしまうところだけど、どうももやもやが消えません。はたして自分はほんとうに「学級委員にふさわしく」ないのでしょうか…。明日を変えるヒントがつまった?「青空小学校いろいろ委員会」シリーズ第8巻。

不思議なつくりの古いビルでサキが出会ったのは育ちゃんという女の子。でも育ちゃんとの時間はなんだか不思議な感じがして……。嬉しい復刊です。

わたしたちの帽子

作:高楼 方子
絵:出久根 育
出版社: フレーベル館

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一か月のあいだだけ住むことになった古いビルのたんすで、サキが見つけたとってもすてきな帽子。この帽子は、サキをどんなふしぎなぼうけんにつれていってくれるのでしょう?

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小学5、6年生ぐらいからおすすめの新刊

「多様性」をテーマに、あらゆる視点から描く「君色パレット」シリーズ。カラフルな表紙が目を惹きます。既刊の3冊に続いて、新たに3冊が発売となりました。

すきなあの人

著:令丈 ヒロ子

こまつ あやこ

神戸 遥真

少年 アヤ
絵:いつか
出版社: 岩崎書店

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憧れの完璧な同級生、最高の答えを出してくれるバーチャルアシスタント、迷いのないすてきな男の子、おばあちゃんの恋。多様性をテーマに『すきな人』を描く4つの物語。

1冊の本をめぐり紡がれる長編ファンタジー「青の読み手」シリーズ、ついに最終巻に!

紫の女王

著:小森 香折
絵:平澤 朋子
出版社: 偕成社

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おれは世界の傷を癒すために、ここにいるんだ

北の大国ザスーンの皇帝となったアレクセイの企てに対抗し、<青の読み手>ノアのもとに、秘術の使い手たちが集まる。
ノアは異変が起きているという隣国に行き、魔王バルバヤーガを呼びだすが、魔界に引きこまれてしまう。バルバヤーガは、世界のすべてを滅ぼす石板のこと、その封印方法についてノアに漏らす。

一方、ラベンヌ王国の女王セシルは政敵の罠にかかり、謹慎の身となる。そこへ助けにきたのは、ひとの言葉をしゃべる白ネズミ・パルメザンであった。
陰謀のうずまくなか、アレクセイは、ラベンヌへ攻め入り王城へ魔弾を撃ちこむ。ノアはアレクセイと対決し、古代の大導師サロモンと裏切者レト、サロモンの書、その真実が明らかになる。
選ばれし者だけが読める魔法の本、サロモンの書をめぐるファンタジー最終巻。

「青の読み手」シリーズ

チャットAIやコミュニケーションロボットに、命や権利があるのだろうか……。『嘘吹きネットワーク』、『嘘吹きパスワード』につづく第3弾!

嘘吹きアンドロイド

著:久米 絵美里
出版社: PHP研究所

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「ねえ、理子ちゃん、三組の田中くんって、アンドロイドなんだって、知ってた?」

発端は、主人公の理子と同じ野瀬中学校に通う一年三組の美少年、田中瑠卯(通称ルー)が、SNSで突然、自分は本当はアンドロイドなのだと告白したこと。その発言に興味を持った小説家志望で惚れっぽい性格の鞠奈(まりな)に誘われて、人一倍正義感の強い理子は、ルーの発言の真偽と理由を解明するために行動します。
理子がまず相談したのは、文字や写真に息を吹きかけると内容の真偽を見抜くことができる「嘘吹き」の能力を持つ錯(さく)。ITスキルが高く、以前フェイクニュースやフェイク画像を作っては拡散して周囲を惑わせていた錯だからこそ、ルーの告白に対して何かヒントになる意見が聞けるかと期待したのです。しかし錯はたいして驚きもせず、アンドロイドのこれからの可能性を説くばかり。そうしているうちに、ルーが飼っているというパンダマウス(パンダ模様のネズミ)を見に行くという口実で、理子と鞠奈は、ルーの家に行くことに。そこでアンドロイドではないことのボロが出るかと細かく観察する理子でしたが、ルーは、「開発者」「開発期間」という言葉を並べ、自分がアンドロイドであるということの設定を頑なに崩しません。いったいなぜルーは、自分をアンドロイドだと言い張るのでしょうか。そして事態は思わぬ展開に‥‥‥。

「ネットと嘘」について考えさせられる『嘘吹きネットワーク』、インターネットのリアルなトラブルを通じて、情報社会を生き抜く指針を示した『嘘吹きパスワード』につづく第3弾のテーマは、チャットAIやコミュニケーションロボットという、人と交流ができる「機械」に、命や権利があるのかどうか。「人間とAIのちがいってなんなのか」「人間らしさとはなにか」「心とはなんなのか」……。
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(秋山朋恵 絵本ナビ編集部)

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大人の方にもおすすめの新刊

「よわいからって、つよくないわけじゃない。だれでも、心の中に、うさぎがいる」 心温まるちいさな4つのお話と3つの詩。

うさぎになった日

文:村中 李衣
絵:しらと あきこ
出版社: 世界文化社

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村中李衣×しらとあきこ 初の短編物語。
よわいからって、つよくないわけじゃない
だれでも、心の中に、うさぎがいる

◆「よわいからって、つよくないわけじゃない。だれでも、心の中に、うさぎがいる」
心温まるちいさな4つのお話と3つの詩。
◆野間児童文芸賞受賞作家・村中李衣と、大人気うさぎ画家・しらとあきこ初の書籍。

「うさぎ、うさぎ
よわいからって、つよくないわけじゃない
よわいからこそつよい、ってことだってある
だれでも、心の中に、うさぎがいる」

自分の気持ちをうまく言葉にできない、りこ。
過ちをおかしてしまった、たくと。
葛藤を抱えた4人の子どもたちが、動き出す―。
児童文学作家・村中李衣の詩情豊かな文章と
うさぎ画家・しらとあきこの美しく柔らかな絵で紡ぐ、短編物語。

―走れ走れ、にげろにげろ。明日は、きみが、うさぎになる。

『魔女の宅急便』を生み出した角野栄子さんが、魔女をテーマに綴ったエッセイ集

魔女のまなざし

著:角野 栄子
絵:くらはしれい
出版社: 白泉社

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児童文学作家の角野栄子さんが、物語に登場する魔女や、外国で魔女に出会ったお話、魔女の薬草や食べ物、おしゃれなどを温かなまなざしで語ります。1997年刊行の『魔女のひきだし』に改稿、描きおろしを加え、角野栄子さんの素敵な暮らしも収録した、新たな1冊。

過去の月別児童書ランキングBEST10はこちら

いかがでしたか。

ロングセラー作品と合わせて新刊もぜひチェックしてみてくださいね。

秋山朋恵(あきやま ともえ)

絵本ナビ 副編集長・児童書主担当

書店の本部児童書仕入れ担当を経て、私立和光小学校の図書室で8年間勤務。現在は絵本ナビ児童書主担当として、ロングセラーから新刊までさまざまな切り口で児童書を紹介。子どもたちが本に苦手意識を持たずに、まず本って楽しい!と感じられるように、子どもたち目線で本を選ぶことを1番大切にしている。著書に「つぎ、なにをよむ?」シリーズ(全3冊)(偕成社)がある。

掲載されている情報は公開当時のものです。 絵本ナビ編集部

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