阪神タイガースドラ1下村海翔投手、トミージョン手術決断で今季復帰絶望か

阪神のドラフト1位ルーキー・下村海翔投手が側副靱帯(じんたい)再建術(通称・トミー・ジョン手術)で、今シーズンの復帰が絶望的であることが本サイトの取材でわかった。近日中に球団から正式発表されるという。

青山学院大学出身の下村は在学1年時の12月、右肘のクリーニングと軟骨の再生手術を受けており、その後、長期間のリハビリを余儀なくされた。4年生では大学生の日本代表に選出された上、リーグ戦や神宮大会でも活躍していたが阪神入団後の今年1月、兵庫・鳴尾浜球場での新人合同自主トレでは全力投球できずおよそ7割の力でブルペン入りするのが精いっぱいだった。

「2月のキャンプは2軍スタートだったがブルペン入りしたのは立ち投げした一度だけ。首脳陣も当初“疲労回復”を考慮していたがオープン戦、公式戦開幕の時期になっても一向に出てこない。次代のエース候補だったのに実に残念だ」(球団関係者)

昨シーズン38年ぶりの日本一になった岡田彰布監督も相当気を落としているという。

「監督としては一応2年の契約で、その後はフロントに回るともっぱら。次の監督に新戦力を整備してからバトンタッチしたいところで、かなり期待していた投手だが、まさかの手術決断だからね。阪神タイガースは投手陣全体のレベルが高いとはいえ、ベテランの西勇輝や中堅の青柳晃洋は相変わらずピリッとしない。即戦力の投手をドラフト会議で熱望したため、下村の獲得はまさに肝いり案件といっても過言ではない。『投手はナンボおってもええんや』が口癖の岡田さんにとっては実に衝撃的な話で、責任の所在をめぐって球団スカウトを詰めるんじゃないかって話も出ているほどだ」(同前)

日本一に報道陣が多い在阪マスコミも落胆しているようだ。

「今キャンプで目立ったのは高卒3年目の前川(右京)くらいで目新しい戦力はなし。下村といえば高校は九州国際大付属だったが、地元は阪神おひざ元の兵庫県西宮市。恒例の新年一発目の自主トレ公開は実家近くの武庫川河川敷で行うなど佐藤輝、近本光司などと同様“地元密着球団”としても重要な選手。下村がそれなりに目立っていたら間違いなく取材が殺到していたが、少なくとも1年は戦力にならない。球団としては現時点ではあまり目立たないが、チームが投手不足に陥った際『下村がいてくれれば……』と岡田監督が不機嫌になることを最も恐れている。球団やファンのみならず、我々マスコミも無事に復活してくれることを願っている」(在阪テレビ局関係者)

9日にはソフトバンク・武田翔太投手も横浜市内の病院で右肘内側側副靭帯再建術と鏡視下肘関節形成術を受けたと球団が発表。競技復帰まで1年から1年半を要することが判明している。将来の阪神のエースに注目が集まる――。

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