徳島県鳴門市の沖合いでは、今、春の訪れを告げる「桜鯛漁」が最盛期を迎え、港は水揚げに活気づいています。
鳴門市北灘町の粟田漁港では、地元の漁師たちが朝早くから出港し漁に向かいます。
鳴門海峡の近くの播磨灘で今の時期に獲れるマダイは、淡いピンク色をしたその姿から「桜鯛」と呼ばれています。
(仲宗根義典記者)
「港の沖合い1kmほどの場所に仕掛けられた定置網で、今から漁を行います」
「今、漁師が力を合わせて、網を引き揚げていきます」
鳴門の海に春の訪れを告げる桜鯛。
3月はじめごろから本格的に漁が始まりました。
海中に仕掛けた網に魚を誘い込み、捕えていきます。
(仲宗根義典記者)
「網の中にはピンク色の桜鯛がたくさん入っています」
「今、網から船の生簀に桜鯛が移されました。朝日を浴びて輝く桜鯛、生簀の中で勢いよく飛び跳ねています」
4月10日、こちらの船では重さ1kgほどのものを中心に2トン以上を水揚げしました。
(仲宗根義典記者)
「今年もこんなに立派な桜鯛が獲れました。ずっしり重たいです」
水揚げされた桜鯛は、県内のほか東京や京阪神の市場に出荷されます。
北灘漁協によりますと、京阪神市場では1kg1500円から2500円程度で取り引きされるということです。
(北灘漁協 菊川力男参事)
「ここ一週間ぐらいでグッと増えてきた。北灘だったら(1日)3トン弱ぐらいですね、全体で。今年のを食べたけど、美味いね、いつもより。エサがようけあったんか知らんけど、脂がのってね」
北灘の定置網で獲れた天然の鯛は、「べっぴん鯛」のブランドで販売されています。
(仲宗根義典記者)
「けさ、獲れたばかりの桜鯛を活け造りにしてもらいました。身がプリプリしています。脂もよくのってます。さすが鳴門海峡でもまれただけあって、弾力が違います」
桜鯛漁のピークは、5月上旬ごろまで続きます。
また、4月20日にはJF北灘さかな市で「桜鯛祭り」が開かれ、当日は市価より3割ほど安く鯛が販売される予定です。