FRB利下げ観測後退、年内見送りも CPIが予想上振れ

[10日 ロイター] - 3月の米消費者物価指数(CPI)が予想以上に上昇したことを受け、市場では、米連邦準備理事会(FRB)が利下げを開始するのは9月になるとの観測が高まったほか、年内の利下げはないという見方も台頭した。

3月は、変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数が前月比0.4%上昇、前年比3.8%上昇。市場の鈍化予想に反し、いずれも2月と同じだった。

これを受けてフェデラルファンド(FF)金利先物は急落。CPI発表前は6月に利下げ開始との見方が大勢だったが、7月の利下げも困難との見方に転換。9月17─18日の会合で最初の0.25%ポイントの利下げが決定されるとの観測が高まった。

トレーダーらはまた、FRBが今年利下げを行う回数は2回のみと予想している。従来は3回の利下げを織り込んでいた。

FRBが年内に利下げに着手しない確率は約14%と、1週間前の1%未満から上昇。年内の利下げはないとの見方は今のところはまだ主流ではないが、エコノミストのほか、一部のFRB当局者による言及がこのところ増えている。

ネイションワイドのチーフエコノミスト、キャシー・ボストジャンシック氏は「インフレ低下が不十分なことでインフレ率が目標の2%に向け持続可能な軌道に乗っているというFRB当局者の確信が損なわれ、利下げは早くて9月に延期される可能性が高い。来年に先送りされる可能性もある」と述べた。

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