1200世帯断水、小中臨時休校 青森・七戸町 雨や雪解け水影響か

七戸小学校に設置された給水所で列をつくる町民ら=10日午後4時25分ごろ

 青森県七戸町で9日午後、一部地域で断水が発生し、深夜には約1200世帯まで広がった。同日の雨などの影響で浄水場で取水できなくなったのが原因とみられる。町教育委員会は10日、七戸小学校と七戸中学校の2校を臨時休校にし、町は早朝から7カ所の給水所を設けて対応したが、給水に訪れた住民からは「大した雨じゃなかったのに、こんなの初めて」など戸惑いの声が上がった。復旧の見通しは立たず、両校は11日も休校に。「早く学校に行きたい」と悲しむ子どもも見られた。町は引き続き早朝から給水所を設ける。

 七戸小の給水所では、朝から大勢の町民がタンクやペットボトルなどを複数抱えて列を作った。午前10時半過ぎに訪れた70代男性は「夜勤から自宅に帰ってきたら水が出なかった」、子連れで訪れた40代女性は「ママ友からのメールで断水を知った」。

 町は7カ所の給水所で十和田、三沢、東北町の3市町から職員14人の応援も受け対応に当たった。七戸小では昼ごろには訪れる町民は減ったが、夕方、防災無線などで「本日(10日)中は復旧のめどが立たない」との情報が流れると、再び多くの町民が押し寄せた。

 同町の髙坂とみゑさん(81)は「不安でいっぱい。大した雨ではなかったのに何で」と驚きを隠せなかった。七戸小の1年生になったばかりで、母と訪れた西野心都(まなと)君は「休みになって悲しかった。早く学校に行きたい」とうつむいた。

 断水が発生したのは、旧七戸町側の16地区。町上下水道課によると「取水口に枝葉がつまり七戸浄水場で取水できないのが原因で、9日の雨や雪解け水が影響した可能性がある」という。総務課は、導水管に空気が入り水が送れなくなったと述べた。

 青森地方気象台によると、同町の9日の降水量は1時間当たり最大3.5ミリで、やや強い雨だった。災害の危険があるのは、条件にもよるが、およそ1時間当たり20ミリ以上という。

 断水の影響は10日、福祉施設にも及んだ。社会福祉法人美土里会が運営するデイサービスセンターは入浴サービスを休止した。担当者は「入浴を楽しみにしていた利用者の方には申し訳ない。(断水が)早く復旧してほしい」と望んだ。同日に七戸中央公民館で行う予定だった春の全国交通安全運動に合わせた町の決起大会は中止となった。

 町教委は「入学式直後の臨時休校となってしまい、大変残念に思っている。一日も早い復旧を願っている」とコメントした。

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