生産性改革なければ、30年の世界経済2.8%の低成長に=IMF

[ワシントン 10日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は10日、人工知能(AI)などの技術を活用した大規模改革がなければ2030年の世界の経済成長率は2.8%にとどまると指摘した。これは過去の平均を1%ポイント下回る。

世界経済見通し(WEO)の一部を先行公開した。16日に全文を公表する。

世界経済見通しでは「生産性を向上させる積極的な措置がなければ、世界の成長率は過去の平均を大幅に下回ることになる」と言及。低調な成長の予想が投資を抑制し、減速を深める可能性があると警告した。

低成長が続くシナリオは高金利と相まって政府が景気減速に対処し、社会福祉や環境対策に投資する能力を制限する可能性もあるとも指摘した。

一方、資本と労働力の配分の改善や、高齢化が進む主要国の労働力不足への取り組みなどの政策が希望をもたらす可能性があるとの見方も示した。

市場競争や貿易開放、金融アクセス、労働市場の柔軟性を向上させる焦点を絞った政策措置を実施すれば、30年までに世界の成長率を約1.2%ポイント押し上げることが可能だと試算した。

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