「手を携えて個人の移動の新しい時代つくる」VW中国法人CEO

「手を携えて個人の移動の新しい時代つくる」VW中国法人CEO

安徽省合肥市にあるフォルクスワーゲンと安徽江淮汽車集団の合弁企業、大衆汽車(安徽)。(2023年8月20日、小型無人機から、合肥=新華社記者/郭晨)

 【新華社北京4月10日】ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)グループの中国法人、大衆汽車集団(中国)のラルフ・ブラントシュテッター董事長兼最高経営責任者(CEO)はこのほど、新華社の単独取材に応え、「中国はすでにVWの第2の故郷となっている。インテリジェントコネクテッドビークル(ICV)時代に向け、われわれは『新たな質の生産力』(科学技術イノベーションが主導し、質の高い発展を促す生産力)の発展に積極的に参入し、『在中国、為中国(中国で、中国のために)』の理念を堅持し、中国の発展に溶け込む」と述べた。

 中国の新エネルギー車(NEV)産業は科学技術イノベーションの力で世界市場をリードしており、「新たな質の生産力」を形成する代表格だとの見方を示した。VWはここ数年、中国市場の成長エネルギーと革新力を活用するため、安徽省合肥市で最先端の新エネ車生産・研究開発・イノベーションセンターの構築に力を入れていると説明した。

 VWのドイツ本部以外で最大の研究開発センターとして、大衆汽車(中国)科技は1月に合肥市で稼働を開始した。ICVの研究開発に焦点を当て、効率的な製品開発プロセスと最先端技術の応用を通じ、自動車と部品の開発周期短縮に力を入れている。

「手を携えて個人の移動の新しい時代つくる」VW中国法人CEO

安徽省合肥市にあるフォルクスワーゲンと安徽江淮汽車集団の合弁企業、大衆汽車(安徽)のEV専用プラットフォーム「MEB(モジュラー・エレクトリック・ドライブマトリックス)」の車体工場の一角。(2023年5月29日撮影、合肥=新華社記者/杜瀟逸)

 同氏は「自動車業界のモデル転換・イノベーションのプロセスで、中国と肩を並べる国は無い」と述べた。

 2023年の中国の新エネ車生産台数と販売台数はともに900万台を超え、9年連続で世界トップを維持した。中国汽車工業協会(CAAM)のデータによると、24年1~2月の中国の新エネ車生産台数は前年同期比28.2%増の125万2千台、販売台数は29.4%増の120万7千台で、良好な発展傾向が続いている。

 ブラントシュテッター氏は25年には中国の新エネ車のシェアが50.0%を超えると予測。30年には中国自動車市場の年間販売台数が2800万~3千万台に上り、新エネ車の割合は74.0%、純電気自動車(BEV)は55.0%以上になるとの見通しを示した。

 「在中国、為中国」戦略を通じ、中国の産業生態系に全面的に融け込み、中国の顧客のニーズに応える製品の開発と生産を加速させていると紹介。中国におけるグローバル自動車メーカー最大手としての地位を維持するとともに、ICV時代にリーダーとしての役割を果たすことを目標に掲げているとした。

「手を携えて個人の移動の新しい時代つくる」VW中国法人CEO

中国自動車大手の上海汽車集団がフォルクスワーゲンと合弁運営する上汽大衆汽車(上汽VW)の生産ライン。(資料写真、上海=新華社配信)

 大衆汽車集団(中国)は23年に中国市場でのBEV販売台数を大きく伸ばし、累計納車台数は19万台を超え、前年より23.0%増加した。同社は向こう3年で中国市場に40モデル以上の新型車を送り出し、その半数が新エネ車になるとの計画を打ち出した。

 同氏は、中国の技術動向は他の市場と明らかに異なり、顧客のニーズにも明確な違いがあるため、中国本土で多くの協力パートナーシップを確立していると表明。「中国自動車産業との40年にわたる緊密な協力をベースとした上で、手を携えてともに進み、個人向けモビリティーの新たな時代を再びつくっていきたい」との考えを示した。

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