FRB、バランスシートの縮小ペース減速へ準備 月間ほぼ半分に

Michael S. Derby

[ニューヨーク 10日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が10日に公表した3月19─20日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、当局者がバランスシートの縮小ペースを大幅に減速させる準備を進めていることが分かった。

議事要旨によると、前回のバランスシート縮小によって引き起こされた混乱に留意し、2019年9月に見られたような市場の変動が再現されないよう準備を進めており、当局者はこれを念頭に3月のFOMCで「一段の縮小には慎重なアプローチを取ることが適切」とおおむね評価。その上で「参加者の大半はかなり早い段階で縮小ペースを減速し始めるのが賢明と判断した」という。

また「参加者はおおむね月間の縮小ペースを最近の全体的なペースの約半分に減らすことを支持した」と指摘。米国債の縮小ペースを調整し、モーゲージ担保証券(MBS)の縮小ペースに上限を設けることでこの実現を目指すとした。

FRBは現在、月額最大600億ドルの国債と350億ドルのMBSの償還資金の再投資を見送っている。

議事要旨は、縮小ペースを減速させることで、当局者は全体的な保有をどこまで減らせるかについて幾分の柔軟性が得られると考えているとし、ペース減速でバランスシートの最終的な縮小幅がそうしなかった場合よりも小さくなるわけではないとした。

キャピタル・エコノミクスのエコノミストはリサーチノートで、議事要旨のガイダンスに基づくと、「当局者は国債の保有縮小ペース上限を月300億ドルにすることを検討しているようだ」と指摘。銀行セクターの現在の準備金水準を考慮すれば、ペースを減速させたバランスシート縮小はあと1年は続く見通しだとした。

JPモルガンのエコノミスト、マイケル・フェローリ氏は、FRBが5月上旬の次回FOMCで縮小ペース半減を発表し、同月中旬に実施すると引き続き予想した。

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