ウクライナ砲弾「かなり近く」枯渇、全面敗北も 米欧州軍司令官が警告

Phil Stewart Idrees Ali

[ワシントン 10日 ロイター] - 米欧州軍のクリストファー・カボリ司令官は10日、米国の支援がなければウクライナは「かなりの短期間」に砲弾と防空迎撃ミサイルを使い果たし、同国に侵攻するロシアに対し部分的、もしくは全面的に敗北する恐れがあると警告した。

欧州軍司令官は北大西洋条約機構(NATO)欧州連合軍最高司令官を兼任する。カボリ司令官は議会下院の軍事委員会で、ウクライナ軍の砲弾1発に対しロシアは現在5発の砲弾を発射しているとし、今後数週間で差は10対1に拡大する可能性があると指摘。「一方が撃て、もう一方が撃ち返せなければ、撃ち返せない側が負ける。このためリスクは極めて高い」と述べた。

その上で、ウクライナの米国への依存度は高いとし、「米国の支援がなければ勝利することはできない」と語った。

共和党のジョンソン下院議長はウクライナに対する600億ドルの支援を含む予算法案の採決を拒否。ホワイトハウスはウクライナ支援の継続に苦慮している。

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