待ち構える鬼門を見据えて――。巨人のドラフト1位ルーキー・西舘勇陽投手(22)が奮闘を続けている。
最速155キロを誇る即戦力右腕は開幕から勝ちパターンの一角を任され、主に「新・7回の男」として躍動。すでに5試合に登板して防御率0・00、5ホールドをマークしている。
3―1で勝利した9日のヤクルト戦(鹿児島)でも2点リードの7回から登板。無死一、二塁のピンチを招きながらもしっかりと後続を抑え、阿部監督からも「いつかは打たれるでしょう。けど、そういう場数を踏んで信頼を勝ち取れる投手になってほしい」と大きな期待を寄せられていた。
新人離れした投球スタイルにはすでに定評がある。あるチーム関係者は「初めてのプロの環境にもアタフタする様子が全くない。技術的な面はこれからさらに上がっていくものとして、現状は致命的な課題などはこれと言ってないほど」と称賛。一方、指揮官は自らの実体験を踏まえながら今後の「壁」を予告するとともに、打開策も明かした。
「(プロ1年目は)やっぱり夏がキツかったよね。夏は大学のころは試合がないじゃん? だいたい大卒の投手は要領を分かってないから(調子が)落ちるんだよ。そこを乗り切らせるために休ませたりしてね」
ここまで順調な成長曲線を描いている大型ルーキーも、炎天下での投球は大きな障壁となるのか。「3連投の回避」を含めた指揮官の慎重な起用のもと、1年間戦い続けられる投手へと飛躍を遂げていく。