三菱地所設計/空飛ぶクルマで物流・人流拠点形成、ビル屋上や中間階に新たな玄関

三菱地所設計は次世代交通の「空飛ぶクルマ」を活用し、都市部にあるビルを新たな物流・人流拠点として形成する将来像を提案した。都市型の次世代航空交通としてヘリコプターのように垂直に離着陸する「電動垂直離着陸機」(eVTOL)のさらなる多様化を独自に構想。旅客の乗降や荷物の積み下ろしなどを、建物の内側を通らず地上や屋上、中間階などを行き来できるような建築を描く。より自由な都市空間利用に向けたシームレスな人の移動や物流を後押しする。
10日に発表した。同社は都市の移動や物流の利便性を飛躍的に高める次世代交通として、滑走路のような大規模なインフラを必要とせず、ドローンやヘリコプターなどの特徴を併せ持つeVTOLの優位性に着目。空飛ぶクルマを大きく発展させた「Passenger VTOL」として、同社独自の運用システムやデザインを提案した。
4人乗りのサイズを想定。ドローンのような上空飛行に加え、外壁にはエレベーターのゴンドラのように垂直に昇降させる搬送システム設置を提案した。プロペラユニットを切り離せば屋上や地上の都市内を走行できる機能も立案した。デザインは欧州連合(EU)加盟国全てに有効となる欧州の意匠権(DM/235029)を取得している。実際に開発する企業は決まっていない。
同社によると、次世代交通の導入によって低層階に設ける従来の地上エントランスだけでなく、屋上や中間階に玄関口を設けるような斬新な発想に期待する。
社会実装に向けた当面の取り組み内容やスケジュールなどは未定。国内外での展開を視野に入れている。

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