政府/国・自治体共通デジタル基盤整備を検討、6月までに基本方針

政府は、人口減少下でも地方自治体が公共サービスを維持・強化できるよう、国と自治体共通のデジタル基盤の整備に向けた検討を深めている。自治体が個々にシステムを開発し所有するのではなく、共通基盤を幅広い自治体が活用する仕組みの構築を目指す。国、都道府県、市町村の役割を明確化し、新たな連携協力の在り方を模索。デジタル公共インフラの着実な整備と活用の徹底にも力を注ぐ。
自治体から意見聴取し現場実態を把握した上で、6月までに共通基盤の整備・運用に向けた基本方針をまとめる予定だ。
国と都道府県、市町村の新たな連携を検討する上で、自治体がサーバーやソフトウエアをすべて自前で調達・管理する方法から、クラウドに提供された機能を選んで利用するSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)型に積極的に転換することを重視。システムの調達・管理・運用に関する負担の軽減と行政の効率化を図る。
国と自治体の連絡協議や費用負担の在り方、自治体のデジタル人材確保への支援策などについて議論する。
検討体制を整えるため、5日に関係省庁と自治体の首長で構成する「国・地方デジタル共通基盤の整備・運用に向けた検討体制準備会合」の初会合をオンラインで開いた。
会合では首長から、システムの移行に伴う経費や、移行後に運用経費が増加する自治体への財政支援を求める声が上がった。このほか、全国一律のシステムを導入すると、自治体の規模によってはオーバースペックのものとなり費用負担が大きくなるため、規模に応じたシステムや自治体独自の施策を反映可能な仕様とするといった提案も出された。

© 日刊建設工業新聞社