東日本建設業保証（東保証、原田保夫社長）が１０日発表した公共工事の動向によると、２０２３年度に前払金保証を扱った工事の請負金額は前年度比２・１％増の７兆７６４０億円と横ばいで推移した。エリア別では東京国際フォーラムや東京国際展示場の改修など大型工事があった関東が増加した。前払金保証の取扱件数は１・４％減の１２万１６８１件。保証金額は２・１％増の２兆９６７３億円だった。
発注者別の請負金額は、▽国＝１兆０９４５億円（前年度比１・０％増）▽独立行政法人など＝８０８８億円（５・０％減）▽都道府県＝２兆５３３８億円（１・６％増）▽市区町村＝２兆７４１１億円（３・４％増）▽地方公社＝１４１５億円（２５・８％増）▽その他＝４４４０億円（７・６％増）。
国は前年度に大型ダム工事があった反動で国土交通省が減少、環境省も震災復興の収束で減少した一方、防衛省の施設整備関連工事の伸びで増加した。独立行政法人などは東日本高速道路会社などが増加したものの、日本中央競馬会（ＪＲＡ）、鉄道建設・運輸施設整備支援機構の減少が響いた。都道府県では東京や埼玉など、市区町村は東京や愛知などで増加した。
請負金額の内訳を東保証所管の５地区（東北、関東、甲信越、北陸、東海）別に見ると、▽東北＝１兆３６８４億円（６・８％減）▽関東＝３兆７４５５億円（５・４％増）▽甲信越＝６６９６億円（７・３％増）▽北陸＝４２０５億円（４・７％減）▽東海＝１兆３３１５億円（２・６％増）。東保証が所管していない「その他」地区は２２８２億円（２・８％増）だった。
地区別では甲信越が全ての県で増加。関東は東京、群馬などで増えた。
規模別の請負金額は、５０００万円未満の小規模が１兆６０３５億円（１・９％減）、５０００万円以上５億円未満の中規模が３兆５３４７億円（３・０％増）、５億円以上の大規模が２兆６２５６億円（３・４％増）。
前払金保証の２４年度利用見通しについて東保証は、実際に計上された公共事業関係費などを踏まえ、２３年度と同程度の規模で推移するとみている。
