国交省/直轄CCUSモデル工事23年度実績、Cランク試行件数3倍に

国土交通省は直轄工事で試行している建設キャリアアップシステム(CCUS)モデル工事の最新の実施状況を公表した。モデル工事の原則適用の範囲に含まれない直轄土木のCランク工事では、地元の建設業協会が賛同した45都道府県内の工事を対象に、2023年度に649件で試行した。22年度に試行した214件の3倍超となる。土木工事以外でもモデル工事の実施件数は増えている。直轄港湾・空港工事では23年度契約案件のうち全国266件で試行し、22年度の119件の2倍超だった。
直轄土木工事では22年7月以降、一般土木工事の本官発注分でモデル工事を原則化し、それ以外でも業界要望などを踏まえ発注を積極的に検討。CCUS活用を発注者が指定する「CCUS義務化モデル工事」と、受注者の希望に基づき発注者と協議しCCUS活用に取り組む「CCUS活用推奨工事」の2種類の発注方式を選択する形で展開している。
試行実績は22、23年度ともに年度末の1カ月前時点で集計した試行予定を含む数字となる。義務化モデル工事はWTO政府調達協定の対象工事で22年度に76件、23年度に54件、活用推奨モデル工事はBランク以上の工事に限ると22年度に94件、23年度に68件の試行実績がある。
Cランクのモデル工事の試行判断は、都道府県ごとの業界団体の賛同を前提としている。23年度末までに青森、山形両県の団体を除いて賛同を得た。Cランクはすべて活用推奨モデル工事として試行。カードリーダーの設置費用とCCUSの現場利用料は、活用推奨モデル工事を含めた全件を発注者負担としている。
国交省はCCUSの普及と利用を地域レベルで促進するため、都道府県単位で業界団体などとの意見交換を2月に始めている。地域の元請団体や専門工事業団体が参加する建設産業団体連合会(建産連)組織などと連携。地域が抱える課題やニーズを聞き、今後の施策展開につなげる。3月末までに6県で会合を開いて意見を聴取。24年度にかけて計20カ所で開催を見込む。

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