自民裏金「処分甘い」「不透明」…党執行部に福井県連不満相次ぐ 茂木幹事長ら車座対話 高木毅氏に厳しい声も

自民党の政治刷新車座対話であいさつする茂木敏充幹事長(中央)=4月10日、福井県福井市の県繊協ビル

 自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け、党執行部が全国を行脚して地方組織の声を聞く「政治刷新車座対話」が4月10日、福井県福井市の県繊協ビルで開かれた。茂木敏充幹事長や稲田朋美幹事長代理(衆院福井1区)らが、党福井県連の関係者と意見交換。出席者によると、県連側からは「(関係議員への)処分が甘い」「事実関係が不透明なままだ」などと不満が相次ぎ、党員資格停止6カ月となった高木毅前国対委員長(衆院福井2区)に対する厳しい声も出た。

 県連からは前執行部の滝波宏文顧問(参院福井選挙区)、松田泰典会長代行、仲倉典克幹事長、田中宏典総務会長、清水智信政調会長ら15人が出席した。

 茂木幹事長はあいさつで、裏金事件について「重く受け止めている。皆さんにも批判の声が寄せられ、苦労されている思う」と陳謝。今国会中の政治資金規正法改正を目指し、信頼回復に向けた改革に取り組むと強調した。

 意見交換は非公開で行われ、出席者によると、裏金事件の関係議員への処分の甘さや線引きに対する疑問のほか、「党員を維持、確保していくのは非常に困難だ」との声が相次いだ。高木氏に対して処分前に自発的に責任を取るべきだったとの意見も出た。

 茂木幹事長は「物事を決めた責任者と一般の議員の処分には差が必要」と説明。実態解明が不十分との声に対しては「調査をしたが、明らかにならなかったため今回の処分に至った」などと釈明したという。

 稲田幹事長代理は終了後、記者団に「非常に厳しい意見が多かった。しっかり改革を進めていくということが重要だ」と述べた。出席者からは「39人の処分だけでは国民は納得せず、これで責任を取ったと考えているのか」「(車座対話は)ガス抜きに過ぎない」などと、党執行部の対応への不満の声も少なくなかった。

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