「いきなりドン」宮崎の落雷事故 “防ぐための対策は?” 県内でも去年1年間に雷注意報86回《長崎》

宮崎市では、先週、落雷によって高校のサッカー部員18人が救急搬送されました。

落雷による事故を防ぐためにどのような対応が必要なのか、対策を取材しました。

今月3日、宮崎市で起きた落雷事故。

グラウンドに雷が落ち、練習試合に来ていた高校のサッカー部員18人が救急搬送されました。

1人が意識不明の重体となっています。

事故当時、宮崎市内には「雷注意報」が出ていました。

練習試合に参加した高校の教頭は・・・

(宮崎県鵬翔高校 富山 晃一教頭)

「午前中は遠くで雷の音がしたので、すぐ中断して避難した。それからほぼ降っていない状態で、いきなり “ドン” だったのでびっくりした状態だと思う。今回は予兆がなかったので試合を続行したが、こういうことが二度と起こらないような改善方法を考えていかないといけない」

長崎地方気象台の安留 幹雄統括予報官は、雷の音がしない場合でも注意が必要と話します。

(長崎地方気象台 安留 幹雄 統括予報官)

「雷注意報が出ているときには、おそらくかなり雲が広がっている。場所によっては晴れているところもあると思うが、天気予報で『雷を伴った激しい雨が降る』といった情報を見聞きしたら、できるだけ屋内(で過ごしてほしい)」

発達した積乱雲が発生しやすいこれからの時期、特に梅雨から夏にかけては雷の発生も多くなります。

気象台によりますと、県内では去年、雷注意報は86回出されました。

雷注意報が出ている際に、雷の音が聞こえるなどの「予兆」があった際には、すぐに屋内に逃げることが重要だといいます。

(長崎地方気象台 安留 幹雄 統括予報官)

「木の下に雨宿りすると雷が落ちて人間に避雷してくるので、雨が降ったら木の場所に行くのではなくて、建物の中に避難することが重要」

また、気象庁のホームページでは、雷が起きる可能性を1km単位で解析し、1時間後まで予測する「雷ナウキャスト」を公開していて、特に、雷注意報の発令中に屋外で活動する際にはこまめに確認してほしいとしています。

文部科学省の資料をもとに屋外活動時の雷への対応をまとめました。

まず、雷の音が聞こえてくる、急に冷たい風が吹いてくるといった積乱雲が近づく兆しを察知することが重要です。

予兆があった場合は、部活動などの屋外活動を中断し速やかに屋内に避難することが求められています。

避難する場所は鉄筋コンクリートの建物や車や電車の中が「安全」とされていて、木造建築の内部も基本的に安全ですが、電気器具や天井・壁から1m以上離れればさらに安全だということです。

近くに避難する建物などがない場合には、電柱や鉄塔などの高い物体の一番上の部分を45度以上の角度で見上げる範囲で、その物体から4メートル以上離れたところに逃げてください。

木の幹や枝からも2m以上は離れましょう。

姿勢を低く、地面との接地面を少なくし持ち物は体より高く突き出さないようにして収まるまで待機してほしいとしています。

県教育委員会は、今回の事故を受けて県立学校や各市町などに改めて注意喚起を行いました。

雷の音が聞こえなくても、事前に気象情報を確認した上で、黒い雲が頭上にあったり、近づいてきたりした場合は屋外活動をためらうことなく中止してほしいとしています。

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