糸魚川市一の宮1の天津神社の春大祭「糸魚川けんか祭り」が10、11日の両日、同神社で行われている。10日は5年ぶりに「けんかみこし」の競り合いが行われ、押上、寺町両区の男衆による勇壮なみこしのせめぎ合いで、境内は熱気に満ちあふれた。
豊漁や豊作を願って約500年前から続く伝統の祭り。昨年はコロナ禍を経て4年ぶりに実施したが、感染防止の観点などから「けんかみこし」は2基のみこしを近づけての〝にらみ合い〟にとどまっていた。
今年は快晴の下、両区の男衆がそれぞれみこしを担ぎながら威勢良く境内を巡行し、東西の桟敷前で計8回、みこしを競り合った。コロナ禍で中止を余儀なくされていたこれまでの鬱憤(うっぷん)を晴らすかのように、血気盛んな押し合いが繰り広げられ、見物客からも「いけいけ!」「押せ!」などと熱のこもった声援が飛び交った。
家族で見物に訪れた市内の女性(73)は「久しぶりに見に来たが、ここまで間近で見ることができたのは初めて。ものすごく迫力があって、感動した」と笑顔で話した。
けんかみこしの後は、国指定重要無形民俗文化財の舞楽の奉納が行われた。舞楽奉納は11日午後1時からも行われる。