難波空良さん スノボ全日本で優勝 来季プロに 手術乗り越え 八王子市

スノーボードクロス競技で、1位の表彰台にのぼる難波さん(写真中央)=いずれも家族提供

散田町在住の難波空良さん(18)が2月に長野県で行われた「第42回JSBA全日本スノーボード選手権大会」のスノーボードクロス部門で優勝した。2年前の同大会中に左肩を脱臼したことで戦線を離脱、手術やリハビリ生活を経て今回の大会で表彰台の頂点に立った。優勝した難波さんは、日本スノーボード協会(JSBA)公認のプロ登録資格を取得。来季からプロになる予定だ。

スノーボードクロスとは、起伏やジャンプ台のあるコースを複数の選手で一斉にスタートし、順位を競うもの。選手同士の接触や転倒が多く「雪上の格闘技」とも言われている。

難波さんは同部門のうち、41人が参加する「オープン男子」でエントリー。ラウンドごとに4人ずつスタートし、上位2人が次のラウンドへ。4回滑ったのち、駒を進めた決勝戦でも実力を見せつけ1位を勝ち取った。難波さんは「この大会で優勝することを目標にやって来たので、素直にうれしかった」と言い、自然とガッツポーズをしたことを語った。

滑走「気持ちいい」

難波さんは第七小、第七中出身で、この春に世田谷区の日本大学櫻丘高等学校を卒業した18歳。小6の時、友人家族と一緒に行ったスノーボード旅行で初めてスノボに挑戦し、滑走中の気持ちよさに魅了された。友人のなかに上級者がおり、「自分もああなりたい」と練習に同行するうちに競技を始めることに。群馬県のスキースクールに休みの度に通い、JSBAが認定するスノボの技術試験で1級を取得。頭角を表していった。

しかし高校1年生のときに北海道で行われた同大会スノーボードクロスの決勝で予期せぬ単独転倒。左肩を脱臼し、救急車で運ばれた。試合の様子を生配信で見ていた母親の神奈さんは、「息子がいくら待ってもゴールに現れず、怪我だと思ったが、状況がわからずどうしようかと思った」と狼狽した当時を振り返る。さらに、その年のシーズン直前に再び脱臼してしまい、手術を決意。狭くなった腕の可動域をできるだけ元に戻すためリハビリに徹し、今回の全日本に照準を合わせ練習を積んできた。

優勝かつ、夢であったプロへの切符を掴んだ難波さん。父親の啓二さんは「(息子は)こうなりたい、という自分の意志を持っている」と激励。難波さんは「来年1月頃がプロデビュー戦となる。プロの高いレベルに食らいついていきたい」と抱負を語った。

同大会中の難波さん

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