フィリピン防衛に25億ドル要求、米有力議員が超党派法案提出

David Brunnstrom

[ワシントン 10日 ロイター] - 日米比首脳会談を翌日に控えた10日、米有力議員2人が中国からの圧力を受けるフィリピンの防衛力強化に向けた25億ドルの超党派法案を提出した。

法案は元駐日大使のビル・ハガティ上院議員(共和党)とティム・ケーン上院議員(民主党)が提出。対外軍事資金供与(FMF)制度を利用し、2029年までの5会計年度にわたり、フィリピンに年間5億ドルの無償援助を認める内容。

フィリピンは中国に対抗する日米の取り組みで戦略的重要性が増しており、軍隊の近代化に資金が必要となっている。

法案は、米国務長官が国防総省と連携して、無償資金をどのように使うかの年次計画と、米比防衛関係強化に向けた措置に関する年次報告書を議会に提出することを義務付けている。

後者にはフィリピンの防衛力近代化に必要な分野の説明が含まれる。

ハガティ氏の事務所によると、沿岸防衛、長距離火砲、統合防空、海上警備、有人・無人航空システム、機械化地上機動車、情報、監視、偵察、防衛サイバーセキュリティーなどの分野が含まれる可能性があるという。

ハガティ氏は「中国共産党が西フィリピン海や南シナ海で侵略を強めている」現在、フィリピンとの協力を深めることは極めて重要だと声明で述べた。

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