エネルギー問題がAI発展のネックに?―中国メディア

8日、第一財経は、急成長を続けるAIについて、エネルギー問題が成長のボトルネックになる可能性があるとする文章を掲載した。

2024年4月8日、中国メディアの第一財経は、急成長を続ける人工知能(AI)について、エネルギー問題が成長のボトルネックになる可能性があるとする文章を掲載した。

文章は、AIがある程度発展してきたところで、電力供給問題によるコンピューティング不足がさらに発展を続ける上での障害となる可能性が高いと紹介。エヌビディアのジェンスン・フアンCEOが2月に開かれた世界政府サミットで「AIとコンピューティングには膨大なエネルギーが必要だ」と述べ、先月に米ヒューストンで開かれたS&Pグローバルエネルギー会議CERAWeekでも世界の経営者や専門家がAIがもたらす電力需要の急増について言及したと伝えた。

そして、AIの発展を妨げる電力問題を解決する上で、クリーンエネルギーの利用、ハードウェア施設の改良とメンテナンス・管理の改善という3分野の取り組みが重要との認識を示している。

まず、クリーンエネルギー使用では中国工業・情報化部などが昨年10月に「コンピューティングインフラの高品質な発展行動計画」を発表、産業のグリーン化、低炭素化へのモデルチェンジを促進する方針を打ち出したとした。また、風力、太陽光、水力資源が豊富な西部地域のクリーン発電を使ったコンピューティングで東部のデータを処理する「東数西算」プロジェクトも進んでいると伝えた。

また、コンピューティングセンターのハード面の充実では、研究開発による半導体性能のさらなる向上、ヘテロジニアスコンピューティングよるプロセッサーユニットの効率向上、高性能で互換性の高い接続技術の開発などを挙げた。さらに、コンピューティングセンターの運営管理面では、新技術による冷却システムの効率向上、スマートエネルギー消費管理プラットフォームによるリアルタイムな電力使用状況の監視、AI技術に基づく空調省エネアルゴリズムといった取り組みが行われていることを紹介した。

文章は、AIアプリケーションの急速な発展には強力なコンピューティングの支えが不可欠で、コンピューティングが新型のインフラとしての地位を確立しつつあると紹介。カーボンニュートラルとカーボンオフセットの目標と、環境・社会・ガバナンス(ESG)理念のリードの下に、技術の進歩に伴って中国のコンピューティングは「グリーン化」に向けて発展し、AIが発展する上でのボトルネックを打破するだろうと結んでいる。(翻訳・編集/川尻)

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